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コラム

2026.01.23

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不動産業界の人材不足とは?原因・現状から採用/定着の解決策まで徹底解説

不動産業界の人材不足とは?原因・現状から採用/定着の解決策まで徹底解説

著者情報

我妻 貴之(加盟開発課 部長) 詳細プロフィール
不動産業界で18年以上の経験を持ち、賃貸仲介から売買、競売入札、民泊運用まで幅広く対応。不動産経営の最適化を目指し、開業や事業拡大をサポート。

「求人を出しても応募が来ない」「せっかく採用しても、すぐに辞めてしまう」
——不動産業界で人材不足に悩む経営者や管理職の方は少なくありません。

少子高齢化による労働人口の減少に加え、不動産業界特有の働き方や商習慣が、人材確保を難しくしている側面があります。しかし、人材不足は放置すれば経営に深刻な影響を及ぼす課題です。

我妻 貴之

この記事では、不動産業界における人材不足の現状と原因を整理した上で、採用戦略・定着戦略・業務効率化の観点から具体的な解決策を解説します。自社の人材課題に向き合うためのヒントとして、ぜひ参考にしてください。

不動産業界の人材不足の現状

不動産業界の人材不足について、まずはデータから現状を把握しておきましょう。

人手不足が起きている職種・業務領域(仲介・管理・売買・賃貸など)

不動産業界では、幅広い職種・業務領域で人手不足が生じています。

職種・業務領域人手不足の状況
売買仲介営業経験者・即戦力の採用が困難。高い専門性が求められるため、未経験からの育成に時間がかかる
賃貸仲介営業繁忙期(1〜3月)に人手が不足しやすく、対応が追いつかない
不動産管理入居者対応・オーナー対応の両方を担う人材が不足。業務範囲が広く、負担が大きい
不動産事務宅建資格保有者の確保が課題。事務職でも専門知識が求められる場面が多い
図表:人手不足が起きている職種・業務領域

特に深刻なのは、売買仲介や不動産管理の分野です。これらの業務は専門知識と経験が求められるため、未経験者を採用しても即戦力化までに時間がかかります。結果として、経験者の獲得競争が激化し、採用コストが上昇する傾向があります。

離職率・離職理由の傾向(厚生労働省など公的データ)

厚生労働省の「雇用動向調査」によると、「不動産業、物品賃貸業」の離職率は以下のように推移しています。

年度不動産業、物品賃貸業全産業平均
令和2年(2020年)14.8%14.2%
令和3年(2021年)11.4%13.9%
令和4年(2022年)13.8%15.0%
令和5年(2023年)16.3%15.4%
図表:離職率・離職理由の傾向(厚生労働省など公的データ)
我妻 貴之

データ上、不動産業界の離職率は全産業平均と同程度かやや下回る水準です。「不動産業界=離職率が高い」というイメージは、必ずしも現在の統計とは一致しません。

ただし、この統計には「物品賃貸業」も含まれているため、不動産仲介会社のみの実態を正確に反映しているわけではありません。また、会社によって離職率には大きな差があり、定着率の高い会社と低い会社の二極化が進んでいる可能性があります。

我妻 貴之

離職理由としては、「労働時間・休日の不満」「給与への不満」「人間関係」「キャリアの不透明さ」などが挙げられることが多いです。

中小不動産会社ほど深刻化しやすい背景

人材不足の影響は、中小規模の不動産会社ほど深刻になりやすい傾向があります。

  • 知名度が低く、求人への応募が集まりにくい
  • 採用活動に割けるリソース(人員・予算)が限られる
  • 教育体制が整っておらず、未経験者の育成が難しい
  • 少人数での運営のため、1人辞めると業務への影響が大きい
  • 給与・待遇面で大手企業と競争しにくい

大手不動産会社はブランド力や待遇面で優位に立ちやすく、人材獲得競争では中小企業が不利な立場に置かれがちです。限られたリソースの中で、いかに効果的な採用・定着施策を講じるかが、中小不動産会社の経営課題となっています。

不動産業界で人材不足が生じる原因

なぜ不動産業界では人材不足が起きやすいのでしょうか。その原因を多角的に整理します。

労働時間・休日・繁忙期の偏りと働き方の課題

不動産業界、特に賃貸仲介業には「長時間労働」「休日出勤」というイメージが根強くあります。

  • 顧客の都合に合わせるため、夜間や休日に商談・内見が入ることがある
  • 繁忙期(1〜3月、9〜11月)に業務が集中し、残業が増えやすい
  • 土日祝日が繁忙日となるため、平日休みの会社が多い

「週末に家族や友人と過ごせない」「プライベートの予定が立てにくい」といった点が、ワークライフバランスを重視する求職者にとってはネックになりやすいです。近年は働き方改革に取り組む不動産会社も増えていますが、業界全体としてはまだ改善の余地があるといえます。

成果主義・歩合比重による収入の不安定さ

不動産営業職の多くは、成果報酬型(インセンティブ制)の給与体系を採用しています。

  • 成績が良ければ高収入を得られるが、成績が振るわないと収入が大きく減少する
  • 固定給が低く、インセンティブ頼みの給与設計になっている会社もある
  • 収入の見通しが立ちにくく、生活設計が難しいと感じる人もいる

成果主義が合う人にとってはモチベーションの源泉になりますが、安定志向の人にとっては不安要素となります。給与の不安定さは、採用時のハードルにも、離職の一因にもなり得ます。

反響対応/クレーム対応など心理的負荷の大きさ

不動産業は高額な取引を扱うため、顧客対応における責任が大きく、心理的な負荷がかかりやすい仕事です。

  • 物件に対するクレーム対応や、契約後のトラブル対応
  • 顧客からの厳しい要求や、無理な値引き交渉
  • 反響対応のスピードを求められるプレッシャー
  • 成約に至らなかった場合の精神的な落ち込み

こうした心理的負荷に対するサポート体制が整っていない会社では、従業員が疲弊しやすく、離職につながるリスクがあります。

アナログ業務・属人化による生産性の低さ

不動産業界は、他業界と比較してIT化・デジタル化の遅れが指摘されることがあります。

  • 紙ベースの書類作成・管理が残っている
  • 物件情報の入力作業に時間がかかる
  • 顧客情報が個人のExcelや手帳で管理されている
  • ベテラン担当者に業務が集中し、ノウハウが共有されていない

アナログ業務が多いと、本来注力すべき営業活動や顧客対応に時間を割けなくなります。また、業務が属人化していると、担当者の退職時に引き継ぎがうまくいかず、顧客対応に支障をきたすこともあります。

資格・経験の壁と育成コスト(宅建など)

不動産業界で働くには、宅地建物取引士(宅建)をはじめとする専門資格や、業界特有の知識・経験が求められます。

  • 宅建の合格率は15〜17%程度と難易度が高い
  • 資格取得までに時間がかかり、未経験者が即戦力になりにくい
  • 教育にかける時間・コストが負担になる

特に中小企業では、教育担当者を置く余裕がなく、「見て覚えろ」式のOJTになりがちです。十分な教育を受けられないまま現場に出された新人が、成果を出せずに離職してしまうケースは珍しくありません。

企業イメージ・業界イメージと応募者のミスマッチ

不動産業界には、実態以上にネガティブなイメージを持たれている側面があります。

  • 「ノルマが厳しそう」「ブラック企業が多そう」
  • 「押し売りの営業をさせられそう」
  • 「体育会系で古い体質」

こうしたイメージから、そもそも不動産業界を選択肢に入れない求職者も多いと考えられます。また、入社後に「思っていた仕事と違った」というミスマッチが生じ、早期離職につながるケースもあります。

業界全体のイメージ改善と同時に、自社の魅力や実際の働き方を正しく伝える採用広報が重要になっています。

IT/Web(ポータル依存)による競争激化と業務増

インターネットの普及により、顧客は複数のポータルサイトで物件を比較検討するようになりました。この変化は、不動産会社の業務量増加につながっています。

  • 複数のポータルサイトへの物件掲載・更新作業
  • ポータル経由の反響対応(競合他社との早い者勝ち)
  • 広告費の増加と、費用対効果の低下

ポータルサイトへの依存度が高い会社では、反響獲得のための広告投資が経営を圧迫することもあります。また、反響数は増えても成約につながらないケースが増え、営業担当者の負担が増大しています。

人材不足が不動産会社にもたらす課題

人材不足を放置すると、不動産会社の経営にはさまざまな悪影響が生じます。

営業機会損失・顧客対応品質の低下

人手が足りないと、反響への対応が遅れたり、十分な提案ができなかったりします。

  • 問い合わせへの返信が遅れ、顧客が他社に流れてしまう
  • 内見希望に対応できず、機会損失が発生する
  • 1人あたりの担当顧客が増え、フォローが手薄になる
  • 顧客対応の質が低下し、クレームや解約につながる

「人手が足りないから仕方がない」と諦めていると、競合他社に顧客を奪われ続けることになりかねません。

管理戸数・取引件数の限界と売上の頭打ち

不動産管理業や仲介業では、担当者の人数が売上の上限を規定する側面があります。

  • 管理戸数の増加に人員が追いつかず、新規受託を断る
  • 仲介件数を増やしたくても、対応できる営業がいない
  • 事業拡大のチャンスを逃し、成長が止まる

人材不足は、売上の頭打ちや事業成長の停滞に直結する課題です。

教育が回らず新人が定着しない悪循環

人手不足の状態で新人を採用しても、教育に手が回らないという問題が起こります。

  • 既存社員が忙しく、新人を放置してしまう
  • 十分な研修を受けられないまま、成果を求められる
  • 成果が出ずに自信を失い、早期離職する
  • 離職によりさらに人手が足りなくなる

この「採用→放置→離職」の悪循環に陥ると、採用コストばかりがかさみ、組織は疲弊していきます。

コンプライアンス・不正リスクの増加

人手不足は、コンプライアンス上のリスクも高めます。

  • 業務に追われ、確認作業が疎かになる
  • 重要事項説明や契約書類のチェックが甘くなる
  • 上司のチェック機能が働かず、個人プレーが横行する
  • 不正やトラブルが発生しても、発見が遅れる

一度コンプライアンス違反が発生すると、会社の信用は大きく損なわれます。人材不足はリスク管理の観点からも放置できない課題です。

不動産業界の人材不足への解決策(採用戦略)

人材不足を解消するためには、まず採用力を高めることが必要です。効果的な採用戦略のポイントを解説します。

採用ターゲット設計(未経験/経験者/第二新卒/シニア)

採用活動を始める前に、「どのような人材を採用したいのか」を明確にしておくことが重要です。

ターゲット特徴採用のポイント
未経験者ポテンシャル採用。育成に時間がかかるが、自社文化に染まりやすい教育体制の整備が前提。成長意欲や適性を重視
経験者即戦力として期待できる。ただし、採用競争が激しい給与・待遇面での訴求。キャリアアップ機会の提示
第二新卒社会人経験があり、柔軟性も高い。育成余地があるポテンシャルと意欲を評価。入社後のサポートを明確に
シニア・ミドル経験豊富で安定感がある。マネジメント層としても期待体力面・ITスキル面のサポート。経験を活かせる環境の整備
図表:採用ターゲット設計(未経験/経験者/第二新卒/シニア)

「誰でもいいから採用する」のではなく、自社の状況や育成力に合ったターゲットを設定することで、採用後のミスマッチを防げます。

また、必須要件と歓迎要件を事前に分類しておくことで、採用効率の向上や評価軸が統一につながりスムーズに進めることができます。

求人票の改善(仕事内容・評価・キャリアの見える化)

求職者が応募を判断する際、求人票の内容は大きな影響を与えます。

  • 仕事内容:具体的に何をするのかがイメージできる記載にする
  • 給与体系:固定給とインセンティブの内訳を明確にする
  • 評価基準:何をすれば評価されるのか、昇給・昇進の条件を示す
  • キャリアパス:入社後にどのような成長ができるのかを伝える
  • 研修制度:未経験者でも安心できる教育体制をアピールする
我妻 貴之

「年収1,000万円可能!」といった最高額だけを強調する求人は、逆に不信感を抱かれることもあります。誠実で具体的な情報開示が、応募者の信頼獲得につながります。

採用チャネル最適化(紹介・ダイレクト・SNS・自社SEO)

採用チャネルは複数あり、それぞれ特性が異なります。自社に合ったチャネルを選択・組み合わせることが重要です。

チャネル特徴向いている企業
人材紹介(エージェント)経験者・専門人材の採用に強い。手数料は高め即戦力を急いで採用したい場合
求人広告(求人サイト)幅広い層にリーチ可能。費用は掲載料型と成功報酬型がある未経験者を含めて募集したい場合
ダイレクトリクルーティング企業側から候補者にアプローチ。能動的な採用が可能採用担当にリソースがある企業
リファラル採用(社員紹介)社員の知人・友人を紹介。ミスマッチが少ない傾向社員満足度が高く、紹介が発生しやすい企業
SNS採用企業の雰囲気を伝えやすい。採用広報と一体で展開若手層を採用したい企業
自社採用サイト・SEO長期的に採用力を高める。採用コストを抑えられる継続的に採用活動を行う企業
図表:採用チャネル最適化(紹介・ダイレクト・SNS・自社SEO)
我妻 貴之

人材紹介に頼り切るとコストがかさむため、中長期的には自社の採用力(採用サイト、SNS、リファラルなど)を高めていくことが重要です。

採用広報・ブランディング(現場の声/記事/動画)

求職者に「この会社で働きたい」と思ってもらうには、採用広報やブランディングが欠かせません。

  • 社員インタビュー:実際に働いている人の声を紹介し、職場の雰囲気を伝える
  • 会社紹介動画:オフィスや働く様子を映像で見せる
  • ブログ・コラム:会社の理念や取り組みを発信する
  • SNS運用:日常の様子を発信し、親近感を持ってもらう

特に中小企業は知名度で大手に劣るため、「どんな会社か」を具体的に伝える努力が必要です。採用広報を通じて、自社の魅力や差別化ポイントを発信していきましょう。

選考プロセスの短縮(面接回数・スピード・10秒で伝わる訴求)

採用市場が売り手優位の状況では、選考スピードも重要な要素です。

  • 面接回数を必要最小限にする(2回程度が目安)
  • 応募から1〜2週間以内に内定を出せる体制を整える
  • Web面接を導入し、柔軟な日程調整を行う
  • 面接日程の調整を迅速に行う
  • 合否連絡は可能な限り早く伝える

優秀な候補者ほど複数社を並行して受けているため、選考が遅いと他社に決まってしまいます。「この会社はスピード感がある」という印象を与えることも、採用競争における武器になります。

報酬設計の見直し(固定+成果のバランス、手当・福利厚生)

給与・待遇面は、採用の成否を左右する重要な要素です。

  • 固定給とインセンティブのバランスを見直す
  • 生活が安定する水準の固定給を確保する
  • 成果だけでなく、プロセスや行動も評価に含める
  • 資格手当、住宅手当、通勤手当などを充実させる
  • 福利厚生(退職金、健康診断、休暇制度など)を整備する

「頑張れば稼げる」だけでなく、「安心して働ける」環境を整えることで、幅広い層からの応募が期待できます。

入社前後のオンボーディング(期待値調整とミスマッチ防止)

採用したら終わりではなく、入社前後のオンボーディング(受け入れ体制)が定着率を左右します。

  • 入社前:内定者フォロー、入社後の業務イメージの共有、疑問・不安への対応
  • 入社直後:研修プログラムの実施、メンター配置、会社のルールや文化の説明
  • 入社1〜3か月:定期的な面談、業務の振り返り、困りごとの早期発見

「思っていた仕事と違った」というミスマッチは、入社前の期待値調整である程度防げます。入社後も「放置しない」姿勢を示すことで、新人の不安を和らげ、早期離職を防止できます。

定着(リテンション)を高める人材定着戦略

採用と同時に重要なのが、採用した人材を定着させる施策です。離職を防ぎ、長く活躍してもらうためのポイントを解説します。

評価制度の透明化(基準・フィードバック・納得感)

従業員が「正当に評価されている」と感じられることは、定着率向上に直結します。

  • 評価基準を明文化し、全社員に共有する
  • 何をすれば評価されるのか、何がNGなのかを明確にする
  • 定期的にフィードバックを行い、成長の方向性を示す
  • 評価結果の理由を丁寧に説明し、納得感を高める

評価が不透明な会社では、「なぜあの人が昇進したのかわからない」といった不満が生まれやすく、モチベーション低下や離職の原因となります。

キャリアパス設計(営業→管理→マネジメント/専門職など)

従業員が将来のキャリアを描けることは、定着の重要な要素です。

  • 営業職からのステップアップ例:営業→店長→エリアマネージャー→役員
  • 専門職へのシフト例:営業→売買専門→相続コンサルタント
  • 職種変更の例:営業→管理部門、営業→企画開発

「この会社でどこまで成長できるのか」が見えないと、「成長するために転職しよう」という考えにつながります。キャリアパスを明示し、それを支援する仕組み(研修、異動制度など)を整えましょう。

教育・研修の仕組み化(ロープレ、OJT、資格支援)

教育体制の充実は、新人の定着だけでなく、既存社員のスキルアップにも寄与します。

  • 入社時研修:業界知識、自社のルール、基本的な業務フローを学ぶ
  • OJT(On the Job Training):先輩社員への同行、実務を通じた学び
  • ロールプレイング:商談や反響対応のシミュレーションで実践力を磨く
  • 資格取得支援:宅建取得のための費用補助、勉強時間の確保
  • 定期研修:営業スキル、法改正対応、マネジメント研修など

教育を「個人任せ」にせず、会社として仕組み化することで、誰が入社しても一定レベルまで成長できる環境を作れます。

マネジメント改善(1on1、メンタルケア、チーム運営)

上司・マネージャーのマネジメント力は、部下の定着率に大きな影響を与えます。

  • 1on1ミーティング:定期的な個別面談で、業務状況や悩みを把握する
  • メンタルケア:ストレスチェック、相談窓口の設置、産業医との連携
  • チーム運営:目標共有、役割分担の明確化、チームでの成功体験づくり
  • マネージャー研修:マネジメントスキルを体系的に学ぶ機会を設ける

「上司との関係が悪い」ことは、離職理由の上位に挙がる要素です。マネジメント層の育成に投資することは、組織全体の定着率向上につながります。

働き方改革(休日、残業、直行直帰、フレックス)

働きやすい環境づくりは、採用力・定着力の両方を高めます。

  • 年間休日数の増加(目安:120日以上)
  • 残業時間の上限設定と管理
  • 有給休暇の取得促進
  • 直行直帰やリモートワークの導入
  • フレックスタイム制や時差出勤の検討

「休みが取れない」「残業が多すぎる」という状態が続くと、従業員は疲弊し、離職を選択しやすくなります。働き方の見直しは、経営者が率先して取り組むべき課題です。

組織文化づくり(心理的安全性、表彰、コミュニケーション)

従業員が「この会社で働き続けたい」と思える組織文化を醸成することも重要です。

  • 心理的安全性:失敗を責めない、意見を言いやすい風土をつくる
  • 表彰制度:成果を出した社員を称え、モチベーションを高める
  • コミュニケーション機会:社内イベント、懇親会、部門横断の交流
  • 経営理念の共有:会社のビジョンや価値観を繰り返し伝える

組織文化は一朝一夕で変わるものではありませんが、日々の積み重ねが「この会社は居心地がいい」という実感につながります。

DX/Web活用で人手不足を補う業務改革

人材不足への対策は、採用・定着だけではありません。DXやWeb活用による業務効率化で、少ない人員でも成果を出せる体制を構築することも重要です。

反響対応の仕組み化(CRM/SFA、テンプレ、分業)

反響対応は不動産営業の重要業務ですが、属人的になりやすい領域でもあります。

  • CRM(顧客管理システム):顧客情報を一元管理し、対応漏れを防止
  • SFA(営業支援システム):商談の進捗を可視化し、チームで共有
  • テンプレート活用:メールや返信のテンプレートを整備し、対応スピードを向上
  • 分業体制:反響初期対応を専門担当に任せ、営業は商談に集中

仕組み化により、経験の浅い社員でも一定水準の対応が可能になり、組織全体の生産性が向上します。

物件入力・書類業務の効率化(電子契約、RPA)

事務作業の効率化は、業務負担軽減と残業削減に直結します。

従来の業務効率化後効果
物件情報を各ポータルに手入力一括入稿システムで自動連携入力時間・ミスの削減
紙の契約書を作成・郵送電子契約で即時締結郵送コスト・印紙税削減
定型業務を手作業で処理RPAで自動化工数削減・人的ミス防止
図表:物件入力・書類業務の効率化(電子契約、RPA)

電子契約は2022年の法改正により本格的に活用できるようになりました。導入することで、契約締結までのリードタイム短縮にもつながります。

内見・接客の省力化(オンライン内見、予約自動化)

内見対応は営業担当者の時間を大きく消費する業務です。省力化の工夫により、対応件数を増やすことが可能です。

  • オンライン内見:ビデオ通話で物件を案内し、来店前に絞り込みを進める
  • VR・360度カメラ内見:非同期で物件を確認してもらい、営業の負担を軽減
  • 予約システム:来店・内見予約をオンラインで受付、電話対応を削減

特に遠方の顧客や忙しい顧客にとって、オンライン内見は利便性が高く、成約率向上にもつながる可能性があります。

集客の内製化(SEO、コンテンツ、ポータル依存の見直し)

ポータルサイトへの依存度を下げ、自社で集客できる仕組みを構築することも重要な施策です。

  • 自社WebサイトのSEO強化:地域名×不動産のキーワードで上位表示を目指す
  • コンテンツマーケティング:お役立ち記事やコラムで見込み顧客を集める
  • SNS運用:物件情報や会社の雰囲気を発信し、認知度を高める
  • Googleビジネスプロフィール活用:地域検索での露出を強化

ポータルサイト経由の反響は競合との競争が激しく、広告費も上昇傾向にあります。自社集客力を高めることで、広告コストを抑えながら質の高い反響を獲得できるようになります。

顧客体験の標準化(対応品質の均一化とKPI設計)

担当者によって対応品質にバラつきがあると、顧客満足度や成約率に差が生じます。

  • 対応マニュアルの整備:反響対応、内見、クロージングの各段階で標準的な対応手順を定める
  • KPI設計:反響対応スピード、アポイント率、成約率などを数値化して管理
  • 定期的なフィードバック:KPIをもとに改善点を洗い出し、PDCAを回す

顧客体験を標準化することで、「誰が対応しても一定以上の品質」を担保でき、組織としての信頼性が高まります。

すぐ始められる優先順位(ロードマップ)

人材不足への対策は多岐にわたりますが、すべてを一度に実行するのは現実的ではありません。優先順位をつけて、段階的に取り組むことが重要です。

まず1〜3か月でやること(課題の棚卸しと即効施策)

図解:まず1〜3か月でやること(課題の棚卸しと即効施策)

まずは自社の現状を把握し、すぐに着手できる施策から始めましょう。

  • 課題の棚卸し:人材不足の原因は何か、離職の理由は何かを整理する
  • 求人票の見直し:現状の求人内容を改善し、応募率を高める
  • 採用チャネルの拡大:現状のチャネルで足りなければ、新たなチャネルを追加する
  • 既存社員の声を聞く:1on1や匿名アンケートで不満・要望を把握する
  • 業務の可視化:どの業務に時間がかかっているかを洗い出す

「まず現状を知る」ことが、効果的な対策を打つための第一歩です。

3〜6か月で整えること(制度・育成・ツール)

図解:3〜6か月で整えること(制度・育成・ツール)
図解:3〜6か月で整えること(制度・育成・ツール)

短期施策の効果を見ながら、中期的な取り組みを進めます。

  • 評価制度の整備:評価基準を明文化し、フィードバックの仕組みを作る
  • 教育・研修の体系化:入社時研修、OJT、ロープレなどを整備する
  • 業務効率化ツールの導入:CRM、電子契約、一括入稿システムなどを検討・導入する
  • 働き方の見直し:残業削減、休日増加、柔軟な働き方の導入
  • キャリアパスの明示:社員が将来を描けるよう、キャリアの選択肢を提示する

この段階で、採用力と定着力の両面を強化する土台を作ります。

6か月以降の戦略(採用基盤と定着の仕組み)

図解:6か月以降の戦略(採用基盤と定着の仕組み)

中長期的には、継続的に人材を確保・定着させる仕組みを構築します。

  • 採用サイト・採用広報の強化:自社の魅力を発信し、応募者を増やす
  • リファラル採用の促進:社員が紹介したくなる会社づくりを進める
  • マネジメント層の育成:上司のマネジメント力を高め、部下の定着率を上げる
  • 組織文化の醸成:心理的安全性の高い、働きやすい職場を作る
  • DX推進:業務効率化を継続的に進め、生産性を向上させる

人材不足対策は一過性の取り組みではなく、継続的に改善を重ねていくものです。経営課題として位置づけ、中長期的な視点で取り組みましょう。

よくある質問(Q&A)

不動産業界の人材不足に関して、よく寄せられる質問に回答します。

不動産業界はなぜ離職が多いのか?

不動産業界で離職が発生しやすい理由として、以下のような要因が挙げられます。

  • 労働時間・休日の働きにくさ(土日出勤、長時間労働)
  • 成果主義による収入の不安定さ
  • 顧客対応における心理的負荷
  • 教育体制の不備による成長実感の欠如
  • 評価制度の不透明さ

ただし、これらは会社によって大きく異なります。働き方改革に取り組み、離職率を低く抑えている不動産会社も数多く存在します。

未経験採用でも定着させるコツは?

未経験者を定着させるためには、入社後のサポート体制が重要です。

  • 入社前の期待値調整:仕事内容や求められることを事前に正確に伝える
  • 手厚い入社時研修:業界知識・業務フローを体系的に学ぶ機会を設ける
  • メンター制度:相談できる先輩社員を配置する
  • 小さな成功体験:早期に成果を出せる仕事を任せ、自信をつけさせる
  • 定期的な面談:困りごとや不安を早期にキャッチする

「採用したら放置」ではなく、「育てて活躍させる」という姿勢が定着率向上の鍵です。

人材紹介を使うべきタイミングと注意点は?

人材紹介(エージェント)は、以下のようなタイミングで活用するのが効果的です。

  • 即戦力の経験者を急ぎで採用したい場合
  • 自社の採用力だけでは母集団を確保できない場合
  • 採用活動にかける社内リソースが不足している場合

一方、注意点もあります。

  • 採用成功時の手数料が高い(年収の30〜35%程度が相場)
  • エージェント任せにすると、自社の採用力が育たない
  • 紹介される人材が自社の求める人物像と合わないこともある

人材紹介は有効な手段ですが、依存しすぎるとコスト負担が大きくなります。中長期的には自社の採用基盤を強化していくことが重要です。

中小不動産会社でもできる現実的な対策は?

中小規模の不動産会社でも、以下のような施策から始めることができます。

  • 求人票の改善:費用をかけずに、今すぐ取り組める施策
  • 既存社員の定着強化:新規採用よりもコストがかからない
  • 業務効率化ツールの導入:人手不足を補う生産性向上
  • リファラル採用の促進:社員紹介で採用コストを抑える
  • 働き方の見直し:残業削減、有給取得促進で魅力向上

大手企業と同じ土俵で競争するのは難しくても、自社の強みを活かした差別化は可能です。「地域密着」「アットホームな社風」「成長機会が多い」など、中小企業ならではの魅力を打ち出していきましょう。

我妻 貴之

また、フランチャイズへの加盟という選択肢もあります。SUMiTASのフランチャイズでは、直営店で培った採用・育成のノウハウや、業務効率化の仕組みを活用できます。人材不足への対策を一から構築するのが難しい場合は、フランチャイズ加盟を通じて本部のサポートを受けることも一つの方法です。

まとめ:不動産業界の人材不足を乗り越えるためにできること

不動産業界の人材不足について、現状・原因・解決策を解説してきました。

記事のポイントを整理すると、以下の通りです。

  • 不動産業界では幅広い職種で人手不足が生じており、中小企業ほど深刻な傾向がある
  • 人材不足の原因は、働き方の課題、成果主義の給与体系、教育体制の不備、業界イメージなど多岐にわたる
  • 採用戦略では、ターゲット設計、求人票改善、採用チャネル最適化、オンボーディング強化がポイント
  • 定着戦略では、評価制度の透明化、キャリアパス設計、教育体制整備、働き方改革が重要
  • DX・業務効率化により、少ない人員でも成果を出せる体制を構築することも有効
  • まずは課題を棚卸しし、優先順位をつけて段階的に取り組むことが成功の鍵
我妻 貴之

人材不足は放置すれば経営に深刻な影響を与えますが、適切な対策を講じれば乗り越えられる課題でもあります。採用力・定着力・業務効率化の3つの観点から、自社の状況に合った施策を検討してみてください。

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