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2024.09.04

小規模な不動産会社を開業する方法は?必要な資格や免許、知っておくべきポイントも解説

小規模な不動産会社を開業する方法は?必要な資格や免許、知っておくべきポイントも解説

著者情報

我妻 貴之(加盟開発課 課長) 詳細プロフィール
不動産業界で18年以上の経験を持ち、賃貸仲介から売買、競売入札、民泊運用まで幅広く対応。不動産経営の最適化を目指し、開業や事業拡大をサポート。

不動産会社で働いている方や不動産業に関心がある方などは、「自分で不動産会社を開業したい」と、考えることもあるのではないでしょうか。不動産会社といえば社員が少なくとも4~5人はいるイメージですが、最近では1人または2人の小規模な不動産会社を開業する方も増えてきています。

我妻 貴之

本記事では、不動産会社の開業方法や必要資格、開業前に決めておくべきことなど、開業にあたって頭に入れておきたい基本知識をお伝えします。不動産会社の開業をお考えの方は、ぜひ参考にしてください。

この記事の要約

  • 不動産開業方法: 個人事務所かフランチャイズ加盟の2選択肢。各々に長短あり。
  • 必要な資格: 業種により異なる。賃貸は不要、仲介は宅建士必須。
  • 開業前の準備: 経営・営業形態、資金、保証金、事務所場所を決定。未経験者はフランチャイズ推奨。

小規模な不動産会社を開業する2つの代表的な方法

少人数での小規模な不動産会社の開業を考えたときには、

  • 個人事務所
  • フランチャイズ加盟店

の2つの選択肢が代表的です。

方法1:個人で店舗を開業する

1つ目が、完全に個人で事務所を開業する方法です。開業場所や経営方針、営業形態などを全て自分で決めて事業計画書を作成し、不動産会社を立ち上げます。

我妻 貴之

個人事務所は自由度がとても高く、変わった切り口で他社と差別化を図るなど、さまざまな営業方法に挑戦できる点がメリットです。

しかしそれは、経営にかかわる全てを自分で判断しなければならないということでもあります。不動産の知識や経験が問われるため、業界経験者でなければ難しいでしょう。

方法2:フランチャイズ(FC)加盟店として開業する

2つ目が、フランチャイズ加盟店として開業する方法です。
フランチャイズでの開業も自営業ではありますが、自分で決めた屋号ではなく、大手不動産の看板を背負って不動産会社を立ち上げることになります。

我妻 貴之

個人事務所との大きな違いは、フランチャイズなら業界未経験者でも不動産業にチャレンジできる点です。

開業前の研修をはじめ、経営ノウハウや不動産実務を円滑に進めるためのシステムの提供のほか、面談、成功事例の情報共有など、さまざまなサポートを受けながら、不動産会社を経営できます。
ただし、加盟契約にあたって加盟金や毎月のロイヤリティ(費用)が必要になるため、初期費用とランニングコストは個人事務所よりも高くなる場合がほとんどです。

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小規模な不動産会社を開業するために必要な資格

不動産会社は1人または数人でも開業できますが、営業形態によっては資格が必要です。この章では、開業にあたって必要な資格と、あれば有利な資格を説明します。

不動産賃貸業なら資格は不要

会社が所有する物件を貸し出す「賃貸業」や、物件の管理を行い管理費用を受け取る「賃貸管理業」の開業には、特別な資格は必要ありません。開業届の提出、または法人の設立のみで開業が可能です。

ただし自己所有物件を除く管理戸数が200戸を超える場合は、「賃貸住宅管理業登録」が必要になり、事業所ごとに業務管理者を1名以上配置する必要があります。

業務管理者に認定されるのは、管理業務に関する2年以上の実務経験と賃貸不動産経営管理士試験の合格、または実務経験2年以上と宅建士、指定講習の修了者のみです。
参考:国土交通省「賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律の解釈・運用の考え方

不動産仲介業は宅地建物取引士が必要

不動産の売買や賃貸物件の仲介業務を行う不動産会社を開業するときには、従事者5人に対して1人の割合で「宅地建物取引士(宅建士)」の資格が必要です。

5人以下の会社なら1人、6~10人なら2人は有資格者がいなくてはなりません。さらに開業にあたって宅建業免許を申請するためには、専任の宅地建物取引士の登録が必要です。

我妻 貴之

登録がなければ開業できないので、無資格で1人開業を検討しているのであれば、開業前に資格を取得しておきましょう。

開業にあたってあると有利な資格

仲介業の必須資格は宅建士のみですが、営業に役立つ資格もいくつかあります。

  • 不動産鑑定士
  • 土地家屋調査士
  • マンション管理士
  • ファイナンシャル・プランニング技能士(FP)
  • 管理業務主任者
  • 賃貸不動産経営管理士
  • 2級建築士

資格を有していれば、本来ならば外注する仕事を自分で請け負えるだけではなく、顧客の安心感にもつながります。

我妻 貴之

これらはあれば有利な資格なので、時間に余裕ができたときや開業が落ち着いてからの取得でも良いでしょう。

小規模な不動産会社を開業する前に決めておくべきこと

個人事務所とフランチャイズのどちらの開業方法であっても、不動産会社を始めるときには、次のような内容をあらかじめ決めておかなくてはなりません。

  • 経営形態
  • 会社の営業形態
  • 営業保証金
  • 事務所を構える場所

それぞれどのような内容なのか、どう決めるのかを詳しく説明します。

経営形態

開業方法には「個人事業主」と「法人」の経営形態があります。それぞれ手続き方法や資金、開業後の税金などが異なるため、まずはどちらで開業するのかを慎重に考えなくてはなりません。

経営形態を決める目安のひとつは、おおよその年間所得です。一般的には税率のボーダーラインとなる800万円以下ならば個人事業主、800万円超ならば法人を検討したほうが良いといわれています。

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高額取引が多い不動産業では、収入面はもちろんですが、権威性や顧客からの信頼性を高めるために、開業にあたって法人を設立するのが一般的です。

会社の営業形態

不動産業には大きく分けて、次の4つの営業形態があります

不動産業には大きく分けて、4つの営業形態
不動産業には大きく分けて、次の4つの営業形態があります。
  • 不動産開発(デベロッパー)
  • 不動産流通
  • 不動産賃貸
  • 不動産管理

個人またはフランチャイズでの開業で多いのは「流通」「賃貸」「管理」の3つですが、その中でもさらに売買仲介や買取、賃貸仲介などに業種が分かれています。

同じ不動産業でも、業種によって必要な知識や顧客の集客方法などが異なるため、早い段階で、営業形態を決めておいたほうが良いでしょう。

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  • 不動産業にはどんな種類がある?未経験での開業におすすめなのはどの方法?

開業資金

開業に欠かせないのが、開業資金です。不動産会社を開業するときには、主に次のような初期費用がかかります。

  • 事務所の初期費用
  • 宅建業者免許申請料
  • 不動産団体への入会費
  • 法人設立費用(法人の場合のみ)
  • フランチャイズ加盟金(フランチャイズ開業する場合のみ)

不動産業は開業資金が少ない業種ではありますが、それでも400〜1,000万円ほどが目安といわれています。個人で用意するには大きな額なので、開業前に資金を用意する方法をしっかり考えておかなくてはなりません。

自己資金で足りそうにないときには、融資や補助金の活用を検討するほか、返済シミュレーションも含めた事業計画を立てておきましょう。

関連記事

  • 不動産の開業資金はどのくらいかかる?費用の内訳や足りないときの対処法を解説

Point!

SUMiTASでは、経済的なリスクを最小限に抑えながら事業を開始できるようにするためロイヤリティを「月額5万円(税別)」と低価格に設定しています。
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営業保証金

不動産業は消費者とトラブルになることも珍しくなく、そのような事態に備えるために必要なのが「営業保証金」です。

保証金の供託は任意ではなく、「宅地建物取引業法」第25条第1項で義務付けられています。営業保証金を用意する方法は2つあり、どちらかの方法で開業前に必ず供託しなくてはなりません。

  • 供託所(法務局)に1,000万円を供託する
  • 保証協会に加入し、60万円を納める

費用を抑えられるのは、全国宅地建物取引業保証協会(全宅)や全国不動産保証協会(全日)のような保証協会への入会ですが、弁済業務保証金分担金を含めて入会金や会費などに140~170万円ほど必要です。

事務所・店舗を構える場所

不動産会社を開業するためには、事務所や店舗を構える場所を決めなくてはなりません。開業資金を見積もるためにも、不動産会社に相談のうえ、事務所の場所やテナント料などを確認しておくと良いでしょう。

我妻 貴之

費用を抑えるために自宅開業を考える方も多いのですが、その場合は自宅と事務所の出入口を分け、さらに事務所としての独立スペースを確保するために改修工事が必要です。

事務所の環境は顧客の信頼性にもつながる部分なので、慎重に検討しましょう。

経験と方針に基づいた選択肢から、自分に合った開業方法を見つけよう

不動産会社の開業にあたって、経営形態や営業形態、開業資金など、事前に決めておくべきことが多くあります。悩んだときの指標になるのが、不動産業界での経験有無や予想収益、経営方針などです。

自分がどのような営業をしたいのか、どのくらいの収益を目指すのかによって、開業方法を考えると良いでしょう。

我妻 貴之

業界未経験の方におすすめしたいのは、研修制度や経営ノウハウ、システムの提供が受けられるフランチャイズでの開業です。

Point!

SUMiTAS(スミタス)フランチャイズでは、加盟金100万円、ロイヤリティ月額5万円で、開業準備はもちろん、経営にかかわる最大限の支援をいたします。不動産事業に新規参入をご検討の方は、お気軽にご相談ください。

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