2026.01.08
【保存版】事業拡大の方法、何から始める?企業が成功するための全手順

著者情報

我妻 貴之(加盟開発課 部長) 詳細プロフィール
不動産業界で18年以上の経験を持ち、賃貸仲介から売買、競売入札、民泊運用まで幅広く対応。不動産経営の最適化を目指し、開業や事業拡大をサポート。
企業経営者や事業責任者の方々にとって、「事業拡大」は常に頭を悩ませる重要なテーマです。市場の変化が激しい現代において、企業が持続的に成長し、競争優位性を確立するためには、事業拡大は避けて通れない道と言えるでしょう。
しかし、事業拡大にはさまざまな方法があり、それぞれに異なるメリット・デメリットやリスクが存在します。闇雲に事業拡大に乗り出すのではなく、自社の状況を正確に把握し、適切な戦略を立てて実行することが不可欠です。

本記事では、事業拡大を検討している経営者や事業責任者の方々に向けて、事業拡大の必要性、具体的な方法、成功のポイント、リスク対策、そして成功事例までを網羅的に解説します。
この記事の要約
- 事業拡大が求められる背景やメリット・デメリット
- 「既存事業拡大」「新規事業進出」「DX推進」の3つの戦略的アプローチ
- 事業拡大を成功させる7つのポイントと事例
なぜ今、事業拡大が必要なのか?
現代のビジネス環境は、かつてないほどのスピードで変化しています。企業が生き残り、成長を続けていくためには、事業拡大が欠かせません。その必要性について、3つの視点から解説します。
市場変化スピードへの対応
消費者のニーズや嗜好は、テクノロジーの進化や社会情勢の影響を受けて、めまぐるしく変化しています。昨日まで売れていた商品やサービスが、今日はまったく売れなくなるということも珍しくありません。企業はこうした変化に柔軟に対応し、常に価値を提供し続ける姿勢が求められています。
競争激化への対応
グローバル化やインターネットの普及により、国内外から多くの競合が市場に参入しています。競争の対象は価格にとどまらず、品質、サービス、ブランド力など多岐にわたり、その激しさは増す一方です。このような環境の中で競争優位性を維持するためには、既存事業の強化に加えて、他社との差別化を図る戦略的な事業拡大が不可欠です。
技術革新の加速に対応
AI、IoT、ビッグデータといった技術革新は、ビジネスの在り方そのものを根本から変えつつあります。これらの技術を活用することで、業務の効率化、コスト削減、新たなビジネスモデルの創出など、多くのメリットが得られます。一方で、こうした変化に適応できなければ、競争から取り残されるリスクも生じます。
事業拡大のメリット・デメリット
事業拡大は企業の成長を加速させる大きなチャンスである一方で、さまざまなリスクも伴います。事業拡大を検討する際には、メリット・デメリットの両面をしっかりと理解しておきましょう。

事業拡大のメリット
以下のようなメリットが、事業拡大の大きな魅力です。
1. 売上・利益の増加
新たな顧客層の獲得や販売チャネルの拡大により、売上・利益の向上が期待できます。
2.市場シェアの拡大
競合他社に先んじて展開することで、市場シェアを拡大し、業界内での競争優位性を確保できます。
3.経営リスクの分散
複数の事業を持つことで、特定市場の業績悪化を他の事業でカバーでき、リスク分散につながります。
4.企業価値の向上
事業の成長性をアピールできれば、金融機関からの融資条件が改善されるほか、将来的なM&Aや事業承継でも有利に働く可能性があります。
5.従業員のモチベーション向上
新規事業への挑戦は、社員に新たなキャリア機会を提供し、モチベーションやエンゲージメント向上にも寄与します。
事業拡大のデメリット・リスク
一方で、以下のようなデメリットやリスクも慎重に見極める必要があります。
1.多額の先行投資が必要
新規事業やM&A、人材採用、設備投資には初期費用がかかります。投資回収までの期間やキャッシュフローへの影響を見極めることが重要です。
2.資金繰りの悪化リスク
拡大期は運転資金の増加が避けられません。利益が出ていても、入金までのタイムラグや過大な先行投資などにより資金繰りが悪化し、手元資金が枯渇する「黒字倒産」のリスクもあります。
3.マネジメントの複雑化
事業規模の拡大によって組織構造や業務フローが複雑化し、管理体制の整備が急務となります。
4.固定費の増加
人件費やオフィス賃料、システム利用料などの固定費が増加した場合、利益を圧迫します。
5.既存事業への悪影響
新規事業にリソースを集中しすぎると、本業が疎かになり、業績が低下する恐れがあります。また、事業間のカニバリゼーション(顧客の奪い合い)にも注意が必要です。

「事業拡大=成功」ではありません。リスクと向き合いながら、着実にステップを踏んでいくことが、中長期的な成長に不可欠です。
事業拡大の主な方法 | 3つの戦略
事業拡大には、大きく分けて「既存事業の拡大」「新規事業への進出」「DX推進(デジタル技術の活用)」という3つの戦略的アプローチがあります。それぞれ難易度が異なるため、自社の状況や目指す方向性に合わせ、適切な戦略を選択することが重要です。
| 戦略タイプ | メリット | デメリット | 難易度 |
|---|---|---|---|
| 既存事業の拡大 | ・既存のノウハウや顧客基盤を活用できる・比較的低コストで実施できる・短期間で成果を出しやすい | ・市場が飽和していると成長が難しい・競合との差別化が難しい | 低 |
| 新規事業への進出 | ・新たな収益源を確保できる・リスクを分散できる・企業価値を向上できる | ・多額の投資が必要となる場合がある・成功するまでに時間がかかる・既存事業との相乗効果が得られない場合がある | 高 |
| DX推進 | ・業務効率化によるコスト削減・新たなビジネスモデルの創出・顧客体験の向上・データに基づいた意思決定 | ・初期投資が必要・IT人材の確保が必要・既存システムとの連携が難しい場合がある | 中 |
それでは、各戦略について詳しく見ていきましょう。
既存事業の拡大 | 足元を固めて、着実に成長する
既存事業の拡大とは、現在行っている事業の範囲内で成長を目指す戦略です。これまで蓄積した経験や知識、顧客基盤、ブランド力を活用できるため、比較的リスクが低く、取り組みやすいアプローチと言えます。
具体的な手法は企業や市場の状況によって異なりますが、一般的な施策としては「市場の拡大」や「販売促進」などが考えられます。
| カテゴリ | 施策例 |
|---|---|
| 市場の拡大 | 営業エリア拡大、ターゲット層拡大 |
| 販売促進 | マーケティング強化、クロスセル・アップセル |
| チャネル戦略 | オンラインチャネル強化、オフラインチャネル強化 |
| 事業モデル | フランチャイズ化、ライセンス供与、プラットフォーム化 |
既存事業拡大のリスク
市場がすでに飽和状態である場合、大きな成長が見込めなかったり、価格競争に陥りやすかったりします。また、商品ラインナップやサービスを増やした場合、カニバリゼーションが発生するリスクにも注意が必要です。
新規事業への進出 | 新たな収益源を確保し、リスクを分散する
新規事業への進出とは、これまでとは異なる製品・サービス、あるいは異なる市場に参入することで、新たな成長機会を獲得し、収益源を確保する戦略です。
既存事業への依存度を下げ、経営リスクを分散させる効果も期待できますが、未知の領域への挑戦であるためリスクは高く、より多くの経営資源(資金、人材、時間など)が必要となる傾向があります。具体的な手法は多岐にわたりますが、代表的な施策は以下の通りです。
| カテゴリ | 施策例 |
|---|---|
| 新製品・新サービス開発 | 既存の技術やノウハウ、顧客基盤を活かし、新たな製品・サービスを開発・投入 |
| M&A(合併・買収) | 他社を買収・合併することで、短期間で事業規模、技術、ノウハウ、人材、顧客基盤などを獲得 |
| 多角化戦略 | 既存事業とは関連性の低い、あるいは全く異なる新しい分野に進出 |
新規事業進出のリスク
新規事業は、市場の不確実性、競合の存在、ノウハウ不足などにより、失敗するリスクが伴います。多額の先行投資が必要で、投資回収が長期化、あるいは不能となる可能性もあります。また、新規事業にリソースを集中させることで、既存事業の業績が悪化するリスクにも注意が必要です。
DX推進 | 事業拡大を加速する
DX(デジタルトランスフォーメーション)推進とは、単なるITツールの導入にとどまらず、デジタル技術を駆使してビジネスモデル、業務プロセス、さらには組織文化そのものを変革し、競争上の優位性を確立しようとする戦略的な取り組みです。
DXには、事業拡大に直接貢献するものから、間接的に下支えするものまで様々な施策があります。
| カテゴリ | 施策例 |
|---|---|
| オンライン接点・販路の強化 | Web/ECプレゼンス確立、デジタルマーケティング推進、オンライン顧客対応強化 |
| 新規デジタルビジネスモデル構築 | サブスクリプション導入、プラットフォーム事業展開、データ駆動型サービス創出 |
| データ収集・分析・活用 | データ基盤整備、データ分析・可視化体制の構築、AI・データ活用推進 |
DX推進のリスク
DX推進にはシステム導入や開発に伴う初期投資が必要です。また、デジタル技術を使いこなせるIT人材の確保・育成が課題となる場合があります。さらに、サイバーセキュリティ対策や個人情報保護への対応も不可欠な要素です。

3つの戦略は、独立しているものではなく、相互に関連し合っています。自社の状況に合わせて、これらの戦略を組み合わせ、最適な事業拡大の道筋を描くことが重要です。
事業拡大を成功させるための7つのポイント
事業拡大は、単に会社の規模を大きくすれば良いというものではありません。成功の確率を高め、持続的な成長を実現するためには、戦略的なアプローチと入念な準備、そして計画を実行に移す力が必要です。
ここでは、事業拡大を成功に導くために特に重要な7つのポイントを、実行する順番に沿って解説します。
1.徹底した市場調査と競合分析
事業拡大の第一歩は、参入を目指す市場、あるいは現在活動している市場について、客観的な事実に基づき深く理解することです。
まず、市場の規模や成長可能性、顧客ニーズ、関連法規などを徹底的に調査しましょう。同時に、競合企業がどのような戦略をとり、いかなる強みや弱みを持つのかも分析します。
PEST分析(※1)やSWOT分析(※2)を活用するなど、フレームワークを使って情報を整理すると効果的です。
※1 PEST分析…Politics(政治)、Economy(経済)、Society(社会)、Technology(技術)の観点から外部環境を分析する手法です。
※2 SWOT分析…Strengths(強み)、Weaknesses(弱み)という内部環境と、Opportunities(機会)、Threats(脅威)という外部環境を分析する手法です。
2.明確な目標設定と戦略策定
次に、「なぜ事業を拡大するのか」という目的を明確にし、具体的な目標を設定します。
目標はSMARTの法則(※3)に沿い、『いつまでに、何を、どのくらい』を達成するのか」が具体的かつ測定可能で、達成可能な現実的目標となるよう設定しましょう。
加えて、最終的なゴール(KGI)と、そこへ向かう途中経過を確認するための指標(KPI)を区別して設定すると、進捗管理がしやすくなります。
戦略策定においては、調査結果と目標に基づき、適切な事業拡大アプローチを選択し、具体的な実行計画を立てます。その際、自社の体力やリスク許容度に見合った戦略を選ぶことが大切です。
※3 SMARTの法則…目標設定における5つの要素、Specific(具体的)、Measurable(測定可能)、Achievable(達成可能)、Relevant(関連性)、Time-bound(期限)の頭文字をとったもの。
3.リソースの確保と適切な配分
計画を実行に移すには、人材、設備や不動産、資金、さらにはノウハウやデータといった経営資源が不可欠です。
まず、どのような資源が、どれくらいの量、いつまでに必要となるのかを具体的に洗い出します。その上で、これらの資源をどのように確保し、どのように配分するのか、計画を具体化しましょう。
例えば人材に関しては、育成、新規採用、外部リソースの活用などを検討し、資金については、自己資金の活用、融資、出資、補助金など、状況に応じて最適な調達方法を選択することが求められます。
そして何より、確保した貴重な資源は、戦略上の優先順位に従って、最も効果的に配分することが重要です。
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4.適切なタイミングの見極め
事業拡大は、実行する「タイミング」も非常に重要です。早すぎれば準備不足で失敗する可能性がありますし、逆に遅すぎれば貴重なチャンスを逃すことにもなりかねません。
最適なタイミングを見極めるためには、外部環境と内部環境の両方を注意深く観察し、総合的に判断する必要があります。外部環境としては、市場が成長期にあるか、競合他社の動向、自社に有利な法改正の有無といった点に注目します。
同時に、内部環境として、自社の財務状況は安定しているか、必要な人材は確保できているか、事業拡大に対応できる組織体制は整っているか、といった点も評価しなければなりません。これら内外の状況を慎重に分析し、最も好機と判断できる時期を見極めることが求められます。
5.リスク管理の徹底
事業拡大には必ずリスクが伴います。事前にどのような問題が起こりうるかを想定し、対策を講じておくことが不可欠です。
考えられるリスクには、市場や競合といった外部環境の変化に関わるリスク、資金や業務運営といった内部的なリスク、さらには法務や評判といったコンプライアンス・信用に関わるリスクなど、多岐にわたるリスクが存在します。
これらのリスクが発生した場合の影響度と発生確率を評価し、優先順位をつけて対策を立てます。対策には、リスクの高い活動をやめる「回避」、影響を小さくする「軽減」、影響が小さいリスクは受け入れる「受容」といった考え方があります。
6.計画の実行と改善(PDCAサイクル)
計画と準備が整えば、いよいよ実行段階です。しかし、当初の計画通りに事が進むとは限りません。そこで重要になるのが、PDCAサイクル(計画→実行→評価→改善)を確実に回していくことです。
まず具体的な行動計画(Plan)を立て、それに沿って実行(Do)し、その結果を定期的に評価(Check)して計画とのズレを確認します。そして、評価結果をもとに課題を特定し改善策を実行(Action)、次の計画へと反映させます。
特に事業拡大の初期段階においては、このサイクルを短いスパンで繰り返し、状況に合わせて柔軟に軌道修正することがポイントです。
7.長期的視点での継続的な評価と改善
市場環境や競合状況は絶えず変化するため、事業拡大後も継続的にその成果と状況を評価し、改善を続けていく必要があります。
例えば、設定した目標(KGI・KPI)の達成度や投資対効果(ROI)を定期的に測定し、市場や競合の動きを常時チェックします。また、顧客の声に真摯に耳を傾け、サービス改善や新たなニーズの発見につなげることも重要です。
時には、当初の計画に固執するのではなく、状況の変化に応じて目標や戦略そのものを見直すといった、より大きな方向転換も必要になるでしょう。

これら7つのポイントを一つひとつ着実に実行し、段階的かつ慎重に事業拡大を進めることで、失敗のリスクを最小限に抑え、会社を持続的な成長軌道に乗せることができるはずです。
【業界別】事業拡大の成功事例
ここからは、特徴的な事業拡大の成功事例を業界別に3つご紹介します。
工業用品ネット通販|専門特化とデータ・物流投資によるECプラットフォーム戦略
BtoB向け間接材の中でも特定のニッチ市場に事業領域を集中させ、ECプラットフォームを展開するM社の事業拡大事例です。
M社は、数百万点を超える圧倒的な品揃えを、自社在庫とサプライヤー直送(ドロップシップ)を組み合わせて効率的に提供するのと時に、購買データを活用した検索・推薦機能の最適化や、大企業向けシステムとの連携による利便性向上を図り、顧客が他社に乗り換えにくい状況を構築しました。
さらに、大規模物流センターへの継続的な投資により、短納期や低欠品率といった競争優位性を確立し、市場全体のEC化の流れに乗って高い成長を実現しています。
買取専門店|手厚いサポート型フランチャイズによる急成長戦略
中古品買取ビジネスにおいて、フランチャイズシステムを活用し、急速な店舗網拡大とブランド認知度向上を図っているD社の事業拡大事例です。
D社は、業界未経験者でも低リスクで独立開業できるよう、有望な立地選定、充実した研修、専門的な査定支援、運営指導(SV)、本部による買取保証といった手厚いサポート体制をパッケージ化し、加盟店の早期収益化を強力に支援。
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