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2025.01.15

起業前に知っておきたい!不動産売買仲介業のビジネスモデルと注意点

起業前に知っておきたい!不動産売買仲介業のビジネスモデルと注意点

著者情報

我妻 貴之(加盟開発課 課長) 詳細プロフィール
不動産業界で18年以上の経験を持ち、賃貸仲介から売買、競売入札、民泊運用まで幅広く対応。不動産経営の最適化を目指し、開業や事業拡大をサポート。

「不動産業」とひとくちに言っても、その業態により業務内容や収入源は異なります。特に、売買仲介業を選ぶ方は、どのように報酬が得られるのか、どのようなリスクが伴うのか、不安を感じているのではないでしょうか。

本記事では、不動産売買仲介業のビジネスモデルと、起業前に押さえておきたいポイントについて解説します。宅建業免許や法規制の注意点についても触れていきますので、ぜひ最後までご覧ください。

この記事の要約

  • 売買仲介業は売主・買主の仲介で報酬を得るビジネスモデル
  • 宅建士資格と宅建業免許が必須で、法規制遵守や保証金が必要
  • 起業はしやすいが、集客力や経営知識が成功の鍵となる

不動産売買仲介業のビジネスモデル

我妻 貴之

さっそく本記事の本題である、売買仲介業のビジネスモデルを説明します。必ず知っておきたい基本部分となりますので、しっかりと目を通しておきましょう。

売買仲介業の役割と業務の流れ

売買仲介業は、不動産を“売りたい人”と“買いたい人”を結びつけ、引き渡しまでをサポートする仕事です。業務フローは大きく以下の3つに分かれています。

売買仲介業の役割と業務の流れ
売買仲介業の役割と業務の流れ
  • 元付け業務
  • 客付け業務
  • 契約業務

「元付け業務」は、不動産を“売りたい人”から相談を受けたときに行う業務で、査定や売却活動、内見の同行などを行います。

「客付け業務」は不動産を“買いたい人”から相談を受けて、条件や予算に合う物件を紹介する業務です。売買仲介業では元付けと客付けを両方対応することもあれば、どちらかのみを対応することもあります。

そして「契約業務」は価格や条件の交渉、売買契約書の作成・締結、重要事項の説明、住宅ローンのサポートのような、契約にかかわる業務です。契約業務に関しては元付けと客付けのどちらかのみの対応であっても、必ず行わなくてはなりません。

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売買仲介業に必要な資格と許可

売買仲介業は「宅地建物取引業(宅建業)」にあたるため、必ず宅地建物取引士の資格が必要です。さらに起業にあたって、都道府県知事または国土交通大臣から「宅地建物取引業免許」も取得しなくてはなりません。

宅地建物取引士(宅建士)と宅地建物取引業免許(宅建業免許)は混同されることが多いのですが、宅地建物取引士は“資格”で、宅地建物取引業免許は仲介業を営むための“免許”です。起業時には資格と免許のどちらも必要になることを、覚えておきましょう。

売買仲介業に必要な資格や免許について詳しく説明した記事がありますので、ぜひこちらも参考にしてください。

売買仲介業で報酬を得る仕組み

売買仲介業で報酬を得る仕組み
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売買仲介業で収入源となるのは「仲介手数料」です。
元付け業務を行ったときには売主から、客付け業務は買主から成功報酬として得た仲介手数料が収入源になります。

仲介手数料には上限があり、宅建業法で以下のように定められています。

不動産売買価格仲介手数料の上限
200万円以下売買価格 × 5% + 消費税
200~400万円以下(売買価格 × 4%+2万円)+ 消費税
400万円超(売買価格 × 3%+6万円)+ 消費税

上限通りに仲介手数料を設定するのなら、元付けまたは客付けのどちらかのみを対応する「片手仲介」の場合は、売買価格が4,000万円の物件を仲介すれば138.6万円(税込)、5,000万円なら171.6万円(税込)が得られます。

元付けまたは客付けのどちらも対応する「両手仲介」の場合は、報酬が倍になります。

また、800万円以下の取引に関しては、宅建業法の改正によって2024(令和6)年7月1日からは“最大30万円+消費税”の仲介手数料を受けられるようになりました。少額の取引でも、数をこなせば一定の報酬を得られます。

ただし上記はあくまで上限なので、それ以下にすることも可能です。
たとえば買主からのみ仲介手数料を受け取り、売主は無料または半額にするなど、上限の範囲内であれば不動産会社が自由に設定できます。

売買仲介業のやりがい

どんな業務であっても、せっかく起業するのならやりがいを感じたいものです。売買仲介業には、次のようなやりがいがあります。

  • 契約が1件増えるごとに売上が大きく増える
  • 顧客から感謝される
  • リピートや紹介の可能性がある
  • 件数をこなすごとに専門性が身についていく
我妻 貴之

労働に対する報酬の高さは、やりがいに直結する部分です。売買仲介は契約が1件増えるごとに売上も100万円単位で増えていくので、大きなやりがいを感じられるでしょう。

また、売買仲介業は顧客との関係性が強いので、丁寧な仕事をしておけば、購入から数年後に売却を担当したり知人への紹介があったりと、新たな仕事につながることもよくあります。

やりがいを感じられる場面の多さが、売買仲介業で起業する魅力のひとつです。

不動産売買仲介業を営むときの注意点

収入面や人とのつながりの面などに多くのやりがいがある売買仲介業ですが、起業前に知っておきたい注意点もあります。

法規制を遵守する

宅建士資格や宅地建物取引業免許が必要なことからもわかるように、不動産業の中でも売買仲介業は、法規制がとくに厳しい業態です。宅地建物取引業法や消費者契約法を遵守しなければ、顧客に損害を与えるだけではなく、業務停止等の処分を受けるリスクを抱えています。

取引に関する法改正も毎年のように行われているため、常に最新情報を収集し、すぐに対応する柔軟さも求められます。

営業保証金または弁済業務保証分担金が必要になる

宅建業は取引で生じた損害を補償するために、営業保証金の供託、または弁済業務保証分担金の支払いが義務付けられています。

  • 営業保証金:主たる事務所につき1,000万、その他事務所ごとに500万円
  • 弁済業務保証分担金:主たる事務所につき60万、その他事務所ごとに30万円

営業保証金よりも弁済業務保証分担金のほうが起業時の初期費用を抑えられますが、不動産団体への加入が必須となり、入会金に100〜150万円、年会費に3〜5万円ほどかかります。

我妻 貴之

どちらを選ぶにしても起業資金の中で大きな割合を占めるため、保証金が必要なことは覚えておいてください。

集客力が売上を大きく左右する

売買仲介業は1件あたりの報酬額は大きいですが、その1件の契約を取るまでにとても時間を要します。高額取引ゆえに顧客からの信頼性も求められるため、独立店舗として始めるのであれば、起業当初は集客に苦戦しがちです。

起業しやすい業態ではあるものの、競争率も高いので、売買仲介業を続けていくためには他社との差別化や広告方法の工夫が必要です。

経営知識が求められる

売買仲介業で大切なのは、営業だけに集中しないことです。
顧客や物件、売上管理などのバックオフィス業務も並行して行い、営業だけではなく経営全体に目を向ける必要があります。

しかし未経験からの起業で、営業からバックオフィスまで同時進行するのは容易ではありません。経営に不安がある方やこれまでに事務経験が全くない方などは、フランチャイズ加盟店になり、経営ノウハウの提供を受けるのもひとつの方法です。

ダウンロード資料「フランチャイズって結局良いの?悪いの?FCのホント」より
ダウンロード資料「フランチャイズって結局良いの?悪いの?FCのホント」から一部抜粋

ノウハウを活用して業務を効率化すれば、営業に注力する時間を増やせるでしょう。

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売買仲介業は不動産業の中でも開業におすすめ!ただし注意点から対策を考えて!

売買仲介業は新規参入が比較的しやすく、やりがいも多い業態です。しかし、法規制や集客の課題など、起業初期の壁も少なくありません

「事業を続けていけるのか」と不安を抱く方も多いでしょう。そのような方は、フランチャイズ加盟店としての起業がおすすめです。起業時だけではなく起業後もサポートを受けられるので、業界未経験の方でも売買仲介業にチャレンジできます。

Point!

SUMiTASフランチャイズでは業界未経験の方の起業もサポートしており、起業前の研修、定期的な面談など、徹底したサポートを行っています。売買仲介業での起業をお考えの方は、お気軽にご相談ください。

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