2024.11.27
不動産業で起業したときの成功率は低い?未経験者の難関と成功のポイントは?
著者情報
我妻 貴之(加盟開発課 課長) 詳細プロフィール
不動産業界で18年以上の経験を持ち、賃貸仲介から売買、競売入札、民泊運用まで幅広く対応。不動産経営の最適化を目指し、開業や事業拡大をサポート。
起業を考えたとき、「他の人は成功しているのか?」「失敗している人が多いのではないか」と、成功率が気になる方も多いでしょう。
不動産業は、開業も多ければ廃業も多い業種と言えます。なぜなら開業はしやすくとも、事業を続けるうえで難関となるポイントがいくつかあるからです。
本記事では不動産業での開業で難関となり得るポイントと、成功率を上げる方法をお伝えしますので、ぜひ参考にしてください。
この記事の要約
- 不動産業の廃業率は4%前後で、開業も多いが廃業も多い業界である
- 起業の難関は集客の時間や経営ノウハウの不足が挙げられる
- 起業前の資金準備、人脈形成、効率化が成功率を上げる鍵となる
不動産業で起業したときの成功率は?
何を成功と捉えるのかは人それぞれなので、正確な成功率をお伝えすることはできません。
しかし事業を続けられていることを成功と考えるのなら、成功率は新規事業者数と廃業者数の比率から推測できます。
不動産適正取引推進機構が発表した「令和 5 年度末 宅建業者と宅地建物取引士の統計について」によると、令和4年度と5年度の新規事業者数と廃業者数は、以下のようになっていました。
業者数 | 新規事業者数 | 廃業者数 | |
---|---|---|---|
令和4年度 | 129,502業者 | 6,309業者 | 5,283業者 |
令和5年度 | 130,583業者 | 6,242業者 | 5,157業者 |
新規事業者数と同じくらいの廃業社数が出ており、さらに全体の業者数で考えると、廃業率は4%前後だとわかります。
事業の継続を成功だと捉えるのなら、多くの事業者が成功していると言えそうですが、その反面、毎年一定の廃業者数を出しているのも事実です。
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不動産業で起業するときの難関ポイント
毎年全体の4%前後が廃業している不動産業ですが、新規事業者として起業するときには、どのような部分が難関ポイントとなるのでしょうか。
難関となり得る部分を知り、対策を考えておきましょう。
集客までに時間がかかる
不動産業での起業で、大きな難関となるのが集客です。
話題性によって開業当初から集客しやすい外食業や小売業とは異なり、不動産業では認知度とともに、会社としての信頼性がなければ集客は難しいです。
とくに不動産売買は高額取引になることが多いので、顧客も会社選びに慎重になります。地域住民から認知され信頼を得るには、それなりの時間を要するでしょう。
経営ノウハウと情報収集の能力が求められる
会社組織では各業務が完全に割り振られているため、営業担当ならば営業だけに専念できます。しかし起業となると、そうはいきません。
営業だけではなく、物件情報や顧客情報の登録、帳簿付けなどの事務作業などの経営にかかわる全ての業務を、自分1人で行うことになります。さらに不動産市場や金利動向などの情報収集も不可欠なので、会社員時代以上に、マルチタスクをこなしていかなくてはなりません。
さまざまな能力が求められることも、起業においての難関となるでしょう。
不動産業の起業で成功率を上げるポイント
難関ポイントを知ると、起業に対して不安を抱くかもしれません。しかし前章で挙げた難関は、入念な起業準備をしておくことでクリアできます。
起業資金と運転資金を多めに用意しておく
不動産業で起業する際の必要資金は、400〜1,000万円が目安といわれています。
「できれば最低資金で起業したい」と考えるかもしれませんが、起業資金と運転資金の自己資金は多めに用意しておきましょう。運転資金の目安は最低でも半年分で、可能であれば1〜2年分あると安心です。
開業資金と運転資金を融資で用意する方も多いのですが、未経験者の場合は融資の審査が厳しくなる傾向があるため、できるだけ自己資金から捻出することをおすすめします。
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起業前に人脈づくりをしておく
前章では、起業において集客が大きな難関になるとお伝えしました。
独立店舗としての起業で開業当初から集客を安定させるためには、人脈に頼った営業が重要になります。知り合いや同僚、取引先、起業準備で築いた人脈などを頼りに、不動産を売りたい人や買いたい人を探しましょう。
「これまでは内勤であまり人脈がない」という方も、異業種交流会や名刺交換会に参加することで少しずつ人脈を広げていくことは可能です。
自分が不動産会社を始めること、不動産売買の手伝いができることの2つを、起業までにできるだけ多くの人に伝えましょう。
集客方法を考えておく
人脈づくりに通ずる部分ではありますが、集客方法を考えておくことも成功率を上げるために重要です。自分が顧客にしたいターゲット層から反響を得られそうな方法を考えてから、試してみてください。たとえば20〜30代のファミリー層がターゲットとなるのなら、SNSの運用やSNS上での広告、Google広告などが効果的です。
集客方法や内容によっては、Web制作会社やマーケティング会社などに外注したほうが、早く効果が出る可能性があります。マーケティング戦略も含めて依頼できる会社もあるので、専門家の手を借りることも検討してみてください。
業務の効率化を図る
前述のように、起業後は経営にかかわる業務を全て1人でこなさなくてはなりません。
しかし1日に使える時間は限られているので、集客や接客などの営業活動に時間を割くためには、事務作業の効率化が重要になります。
最も有効なのはシステムですが、初期費用だけで数百万円、カスタマイズに数十万円と、高額な費用がかかります。
初期費用の用意が難しい場合は、システム提供を行っているフランチャイザーと契約してフランチャイズ加盟店となり、システムを使わせてもらうのもひとつです。加盟金と月々のロイヤリティはかかりますが、作業を効率よく進められるシステム提供のほか、経営ノウハウの提供や面談など、さまざまなサポートが受けられます。
加盟店の声
加盟店の声:吉田社長はじめ佐藤SVや本部の方から、助言・提案など継続的なサポートを行っていただいているので、不動産業に関して知識や経験の無い初心者の私たちでも日々学びながらも、お客さまからの要望に応えるサービスを提供できています。(一部抜粋)
加盟店の事例インタビューの続きはこちら:https://sumitas-fc.com/case/255/
不動産業の起業で成功率を上げるためには、事前準備が重要!
不動産業は起業者が多い一方で、廃業者も多い業種です。
そんな競争率が高い業界で生き残り続けるためには、営業経験、集客、経営ノウハウ、情報収集能力などのさまざまな知識が必要になります。
しかし新規参入する業界で、これら全てを自分1人で背負っていくのは容易ではありません。
成功したいと考えるのなら、経営に必要なサポートを受けられるフランチャイズへの加盟や、集客でWeb制作会社やコンサルタントへの依頼を検討することをおすすめします。
Point
SUMiTAS(スミタス)フランチャイズは加盟金100万円、ロイヤリティ5万円と、業界でも低水準でありながらも、システムの提供や代表吉田のサポートなど、最大限の支援を行っています。
全国各地でセミナーや説明会なども開催しておりますので、フランチャイズ加盟での開業をお考えの方は、お気軽にご相談ください。