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2024.12.11

宅建士の独立開業は儲かる?必要な開業資金や年収を左右するポイントは?

宅建士の独立開業は儲かる?必要な開業資金や年収を左右するポイントは?

著者情報

我妻 貴之(加盟開発課 課長) 詳細プロフィール
不動産業界で18年以上の経験を持ち、賃貸仲介から売買、競売入札、民泊運用まで幅広く対応。不動産経営の最適化を目指し、開業や事業拡大をサポート。

「宅建士は独立したほうが儲かる」「年収が上がる」などの話を耳にしたことはありませんか?
たしかに自営業は、売上が増えれば収入もどんどん上がっていきます。

しかし独立したからといって、必ずしも儲かるとは限りません。開業の業態や人脈の広さ、集客力、経営能力、ダブルライセンスの有無などによって、目指せる収入は変わります。

この記事の要約

  • 宅建士の独立後の年収は業態や集客力、人脈などで大きく変動する
  • 開業資金は400~1,000万円が目安で、融資や助成金の活用が有効
  • 成功には事前準備が不可欠で、特に業態選びやダブルライセンスが重要となる

宅建士が独立開業したら儲かる?

まずはこの記事の本題である、“宅建士が独立開業したら儲かるのか”という疑問にお答えしていきます。

公益財団法人不動産流通推進センターが調査した「2024不動産業統計集(3月期改訂)」によると、令和4年度における資本金1,000万円未満の不動産会社の就業人数は55万5,718人、売上高は8兆4,745億4,200万円でした。

これを1人あたりの売上で換算すると、約1,524万円になります。ここから経費を差し引いて、800〜1,000万円ほどが収入になる計算です。

我妻 貴之

どれだけの収入を「儲かった」と感じるのかは人それぞれですが、不動産業の給与所得者の平均年収400万円前後と比べると、「儲かっている」と言えるかもしれません。

宅建士の独立に必要な開業資金と準備方法

自営業になると売上から経費を差し引いたお金が収入になるため、どれだけ売上を出したとしても、経費の割合が大きければ高収入は望めません。

そのため独立時には、経費の予想額から事業計画を立てて“売上の最低ライン”を知り、まずはその基準を超える営業をすることが重要です。

開業資金は400~1,000万円が目安

不動産会社の開業資金は400〜1,000万円が目安といわれており、主に次のような費用がかかります。

  • 法人設立費用
  • 事務所の設立費用
  • 宅建業者免許申請料
  • 営業保証金または弁済業務保証金分担金
  • 備品、OA機器の購入費用
  • フランチャイズへの加盟金(加入時のみ)

営業保証金として1,000万円を供託するか、宅建協会に加入して弁済業務保証金分担金として60万円を支払うかによって総額は変わってきますが、最低でも400万円は見ておきたいところです。

自営業において「儲かった」と言えるのは、少なくとも売上総額が開業資金額を超えてからなので、開業後にはまず、開業資金を回収することを考えなくてはなりません。

そのためにも、まずは自分の開業資金を詳細に見積もっておくことが大切です。

融資と助成金制度について

開業資金の目安を見て、「こんな大金は用意できない」「手元資金から出すのは不安」と感じた方もいらっしゃると思います。

そんなときに検討するのが、融資と助成金制度です。

融資元の候補には、金融機関や日本政策金融公庫、商工会議所などが挙げられます。宅建士資格を有する業界経験者ならば、どの機関の審査にも通りやすい傾向があります。

我妻 貴之

助成金については、対象となる費用の一部が補助されるので、上手く活用すれば開業資金の負担額を抑えることができます。自分が活用できそうな助成金があるのか知りたいときには、商工会議所に相談してみると良いでしょう。

宅建士の独立で年収を左右する4つのポイント

宅建士の独立で年収を左右する4つのポイント
宅建士の独立で年収を左右する4つのポイント

冒頭でもお伝えしたように、宅建士の独立後の年収は、さまざまな要因によって左右します。ここでは、独立開業後に年収を左右する4つのポイントを説明します。

ポイント1:業態

不動産会社の業態は、収入を大きく左右するポイントとなります。

高収入を目指す方におすすめしたいのは、売買仲介です。不動産売買は高額取引が基本で、仲介手数料も100万円を超えることが多いので、成約数が1件増えると売上も100万円単位で増えていきます。

宅建士資格を活かすのなら賃貸仲介も候補に挙がりますが、1件あたりの報酬額が低いので、収入を上げるためには契約件数をどんどん増やさなくてはなりません。

このように、不動産業の中でも業態によって収入と働き方が大きく異なります。自分が求める年収や働き方などから、どの業態が最も理想に近いのかを考えてみてください。

ポイント2:人脈

不動産業界では、人脈の広さも収入を左右します。不動産の売買や賃貸は誰しもが経験し得ることなので、思わぬ経路で仕事が舞い込んでくるケースも珍しくないからです。独立までに人脈が構築できていれば、開業してすぐの新規顧客の集客が難しい時期の助けとなるでしょう。

開業前からできるのは、取引先への周知、異業種交流会や名刺交換会などのいろいろな人が集まる会合への参加です。開業予定時期や業態、自分の強みなどをアピールし、仕事が得られるように種まきをしておきましょう。

ポイント3:集客力と営業力

人脈と同様に、集客力と営業力も収入を左右するポイントになります。

集客ができなければ物件を仲介できず、集客ができても営業力がなければ成約は取れないからです。そのためこの2つは、事業を成り立たせるうえで必要不可欠だと言えます。

集客についてはWeb制作会社やマーケティング会社に依頼して戦略を立ててもらうなど、プロの手を借りることも可能です。しかし営業は自分がしなければならないので、重要事項の説明のみ対応してきたという方は、営業の基本から学ぶ必要があります。

集客と営業に不安がある方は、ブランド力での集客ができ、営業マニュアルや研修によって営業力も鍛えられるフランチャイズへの加盟を検討すると良いでしょう。

ポイント4:ダブルライセンス

競争率が高い不動産業界で生き残り、さらに収入アップを狙うには、他社との差別化が重要になります。最も他社との魅力を差別化を図りやすいのが、ダブルライセンスです。

宅建士資格に加えて、以下のような不動産業に活かしやすい資格の取得を検討しましょう。

  • 不動産鑑定士
  • 土地家屋調査士
  • マンション管理士
  • ファイナンシャル・プランニング技能士(FP)
  • 管理業務主任者
  • 賃貸不動産経営管理士
  • 2級建築士

これらの中でも不動産鑑定士や土地家屋調査士の資格があれば、鑑定や測量から対応できるため、外注費用がかからないことに加え、顧客からの信頼も得やすくなります。

我妻 貴之

ただし資格の取得には時間と労力がかかるため、営業と集客を第一に、できる範囲で取り組みましょう。

宅建士が独立して儲けるためには、入念な事前準備が必要!

不動産業で開業した人の平均年収は800〜1,000万円ほどなので、会社員の平均給与と比べると「儲かっている」と言えます。しかし単に独立したからといって、必ずしも年収が上がるわけではありません

競争率の高い不動産業界で生き残り続けるためには、今回取り上げたように、業態、人脈、集客力と営業力、ダブルライセンスが重要です。

宅建士として独立開業するのなら、それらを踏まえたうえで事業計画をしっかり考えておきましょう。

開業にあたって不安がある方は、フランチャイズ加盟店として開業するのもひとつです。

Point!

SUMiTAS(スミタス)フランチャイズでは、加盟金100万円、ロイヤリティ月額5万円で、開業準備はもちろん、経営にかかわる最大限の支援をいたします。不動産事業に新規参入をご検討の方は、お気軽にご相談ください。

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