2024.10.28
不動産業にはどんな種類がある?未経験での起業におすすめなのはどの方法?
著者情報
我妻 貴之(加盟開発課 課長) 詳細プロフィール
不動産業界で18年以上の経験を持ち、賃貸仲介から売買、競売入札、民泊運用まで幅広く対応。不動産経営の最適化を目指し、開業や事業拡大をサポート。
働き方の多様化やフランチャイズ加盟の選択肢が増えたことで、業界未経験で不動産会社を起業する方が増えています。しかしひとくちに「不動産業」と言ってもさまざまな業態があるため、どれで起業すればいいのかと悩んでいる方も多いはずです。
そこで本記事では、未経験の方におすすめの起業方法を、それぞれの特徴を交えながら説明します。起業をお考えの方は、ぜひ参考にしてください。
この記事の要約
- 不動産業は「開発」「流通」「賃貸」「管理」の4種類に分かれる
- 未経験者には、初期投資の少ない「賃貸業」か「仲介業」がおすすめ
- 仲介業は集客力が要、未経験ならフランチャイズ加盟も有効である
不動産業は大きく分けて4種類
不動産業には大きく分けて「開発」「流通」「賃貸」「管理」の4つの種類があります。それぞれ担う業務も得られる報酬も異なるため、特徴を知ったうえで検討することが大切です。
不動産開発
1つ目が、不動産開発です。
買い取った土地を地盤改良や造成工事をしてから分譲地として売り出したり、一戸建て住宅やマンションを建築して分譲販売したりします。土地をメインに扱うことから、「デベロッパー」とも呼ばれています。
デベロッパーの収入源は、土地または建築物の売却金です。土地取得費用や整地費用、建築費用を差し引いたお金が、会社の利益として入ります。
デベロッパーには住宅地やマンションのみを行う小規模な会社もあれば、都市開発まで手がける大規模な会社まであり、規模はさまざまです。
独立店舗としての起業なら主に分譲地や一戸建て、マンションの取り扱いとなりますが、売上が増えれば会社規模をどんどん大きくすることもできます。
不動産流通
2つ目が、不動産流通です。
不動産を売りたい人と買いたい人、または借りたい人と貸したい人を仲介し、募集活動から引き渡しまでをサポートします。
また、売買仲介では自社で買い取った物件を再販することや、デベロッパーから販売委託を受けて、分譲地や一戸建て住宅、マンションなどを販売することもあります。
不動産流通の収入源は、仲介手数料と売却金です。仲介対応によって得た仲介手数料や、販売委託によって得た委託金が主な収入源となります。
自社で買い取った中古物件をリフォームし、それを買取再販住宅として売却するときには、売却価格から買取金と改修費用を差し引いた額が売上になります。
不動産流通業はデベロッパーと比べて小資本で起業できますが、その分競合他社が多いため、他社との差別化や集客が重要です。
また仲介は宅建業にあたるため、起業時はもちろん、営業を続ける間は事業所で働く人のうち5人に1人の割合で宅地建物取引士(宅建士)の設置が義務付けられています。
不動産賃貸
3つ目が不動産賃貸です。
自身が所有する物件や土地、駐車場などを貸し出すため、収入源は賃料になります。不動産オーナーや大家さんと言えば、イメージしやすいかもしれません。
所有物件の数や収入にもよりますが、不動産賃貸は会社を設立せずとも副業や個人事業主などのスモールビジネスから始められるのが特徴です。
不動産会社を営む傍らで、賃貸業を兼業している方も多く存在します。
不動産管理
4つ目が不動産管理です。
物件の所有者であるオーナーに代わって、アパートやマンションのような賃貸物件の家賃回収や共用部分の管理、設備の点検・保守、修繕計画の立案、入居者からのクレーム対応などの管理全般を請け負います。
主な収入源は管理手数料で、賃料の3〜7%が目安です。
1室あたりの手数料は高くありませんが、管理は1棟ごとの依頼が基本のため、室数が多い物件ほど受け取る手数料も増えます。
不動産管理には宅建士の資格は不要ですが、「賃貸不動産経営管理士」や「管理業務主任者」などの管理に係る資格が求められます。また、自己所有物件を除いて200戸以上管理するのなら、「賃貸住宅管理業登録」も必要です。
管理業務に関する2年以上の実務経験と賃貸不動産経営管理士試験の合格、または実務経験2年以上と宅建士、指定講習の修了者を、事業所ごとに1名以上配置しなくてはなりません。
参考:国土交通省「賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律の解釈・運用の考え方」
不動産業と宅建業の違い
ここまでの説明で「不動産業」と「宅建業」が出てきましたが、具体的に何が違うのでしょうか。小さな疑問を解消しておきましょう。
まず宅建業は、不動産の売買や仲介を行う業務を指します。
不動産を買いたい人と売りたい人、物件や土地を借りたい人と貸したい人を仲介したり、自社が所有する物件を消費者に売却したりします。
売り買いや貸し借りを仲介する業者を「仲介業者」、再販売を目的として自社が所有する物件を売却する業者を「再販業者」と呼びます。
そしてこれらの宅建業を行うには、宅建士の資格が必要です。
一方で不動産業は、売買、仲介、管理、賃貸の全ての業務を指します。
一般的にイメージされるお家やお部屋を紹介する不動産屋さんのお仕事のほかに、不動産開発や賃貸管理、さらには賃貸経営を自ら行う不動産オーナー業まで含まれます。
起業する営業形態によって必要な資格が異なるので、起業を希望する業種にはどんな準備がいるのかを、事前に調べしておきましょう。
未経験の不動産業は「賃貸業」か「仲介業」の2択が主流
不動産業には、いろいろな業態があることがわかりました。業界未経験者が不動産会社を起業するのなら、どの業態が始めやすいのでしょうか。
おすすめなのは「賃貸業」または「仲介業」です。
副業におすすめなのは賃貸業
前述のように、賃貸業は自分が所有する物件を貸し出して家賃収入を得る事業です。自ら入居者を募集するにしても、不動産会社に委託するにしても、宅建士の免許は必要ありません。
売買や交換、賃貸借などの取引を行うための「宅地建物取引業免許」の申請も不要なため、副業としてプチ起業できるのがメリットです。
「不動産会社を起業したいけど、会社を辞めるのは不安」という方は、まずは賃貸業からスタートし、収入が安定してから事業を拡大すると良いでしょう。
本業におすすめなのは仲介業
本業として不動産会社を起業するのなら、おすすめなのは仲介業です。
仲介業には賃貸仲介や売買仲介がありますが、どちらも宅建業にあたるため、宅建士の資格と「宅地建物取引業免許」の申請が必要になります。
賃貸仲介は集客さえ上手くいけば成約を取りやすい点がメリットですが、仲介手数料の上限は家賃の1か月分なので、1件あたりの報酬はあまり高くありません。
高収入を目指すのなら、1件あたりの報酬が大きい売買仲介を検討すると良いでしょう。
未経験ならフランチャイズ(FC)加盟がおすすめ
不動産仲介業は成果を上げた分だけ収入が増えますが、競争率も高いため、集客のハードルが高い点に注意が必要です。さらに事務所や宅建士の設置なども必要になるので、詳細な事業計画と経営能力も求められます。
独学で起業する方も多くいますが、業界未経験から始めるのなら、フランチャイズへの加盟を検討すると良いでしょう。
フランチャイズとは加盟金や月々のロイヤリティ(料金)を払うことで、フランチャイザーの商標利用や経営・営業サポートなどが受けられるビジネスモデルです。
起業までのサポートはもちろん、経営ノウハウや営業マニュアル、不動産実務を円滑に進めるためのシステムの提供のほか、面談、成功事例の情報共有などのサポート体制が整っているため、初心者でも安心して不動産会社を起業できます。
未経験で不動産業をするのなら、賃貸業か仲介業がおすすめ!
不動産業には大きく分けて「開発」「流通」「賃貸」「管理」があり、それぞれ業務内容や収入源も異なります。
業界未経験で不動産会社を起業するのなら、おすすめなのは賃貸業か仲介業です。
副業として始めるのなら宅建士が不要な賃貸業が適していますが、“会社”として事業を成り立たせたいのなら、仲介業が適しています。
しかし未経験での起業となると、集客や営業、顧客管理などの経営面に不安があるでしょう。
Point!
SUMiTAS(スミタス)フランチャイズ(FC)では、未経験者でも安心して起業できるように、起業前の研修はもちろん、起業後のサポートも徹底しています。
説明会やセミナーなどを各地で行っておりますので、売買仲介業での起業をお考えの方は、まずはご相談ください。