2026.01.21
NEW不動産業界への転職完全ガイド|求人の探し方・未経験可の職種

著者情報

我妻 貴之(加盟開発課 部長) 詳細プロフィール
不動産業界で18年以上の経験を持ち、賃貸仲介から売買、競売入札、民泊運用まで幅広く対応。不動産経営の最適化を目指し、開業や事業拡大をサポート。
不動産業界は、未経験者でも挑戦しやすく、実力次第で高収入を目指せる業界として人気があります。一方で、「どんな職種があるのかわからない」「自分に向いているか判断できない」といった声も少なくありません。

この記事では、不動産業界への転職を検討している方に向けて、業界の全体像から職種別の仕事内容、求人の特徴、役立つ資格、転職成功のポイントまでを詳しく解説します。業界研究や転職活動の参考にしてください。
目次
不動産業界とは?転職前に知っておきたい業界全体像
不動産業界への転職を考えるなら、まずは業界構造を理解しておくことが大切です。ひとくちに「不動産業界」といっても、さまざまな分野があり、それぞれ特徴が異なります。
不動産業界の主な分野と特徴
不動産業界は、主に以下の分野に分けられます。

| 分野 | 主な業務内容 | 特徴 |
|---|---|---|
| 売買仲介 | 不動産の売買取引を仲介 | 高額取引を扱い、成約時の報酬が大きい |
| 賃貸仲介 | 賃貸物件の入居者募集・契約 | 取引件数が多く、回転率が高い |
| 不動産販売 | 新築マンション・建売住宅の販売 | 自社物件を販売、高い営業力が求められる |
| 不動産管理 | 賃貸物件・マンションの維持管理 | 安定した収益基盤、ストック型ビジネス |
| 不動産開発 | 土地取得から建物企画・建設まで | 大規模プロジェクト、専門知識が必要 |
| 不動産投資 | 投資用物件の売買・運用 | 金融知識との掛け合わせが重要 |
転職先を選ぶ際は、自分がどの分野に興味があるか、どのような働き方をしたいかを考えた上で検討することをおすすめします。

たとえば「成果報酬型で高収入を目指したい」なら売買仲介や不動産販売、「安定した働き方を重視したい」なら不動産管理、といった選び方が考えられます。
建設・プラント業界との違い
不動産業界と混同されやすいのが、建設業界やプラント業界です。それぞれの違いを整理しておきましょう。
| 業界 | 主な事業内容 | 求められる人材 |
|---|---|---|
| 不動産業界 | 土地・建物の売買・賃貸・管理 | 営業力、コミュニケーション力 |
| 建設業界 | 建物・インフラの設計・施工 | 技術力、現場管理能力 |
| プラント業界 | 工場・設備の設計・建設・保守 | 専門的な技術知識、プロジェクト管理能力 |
不動産業界は「土地や建物を取引する」ことが中心であり、建設業界は「建物を作る」ことが中心です。建設会社で働いていた方が不動産業界に転職するケースも多く、建築知識を活かせる場面は少なくありません。
ただし、必要なスキルセットが異なるため、転職時には業界の違いを理解した上で準備を進める必要があります。
不動産業界の主な職種と仕事内容
不動産業界には、営業職以外にもさまざまな職種があります。転職を検討する際は、自分のスキルや志向に合った職種を見極めることが重要です。
不動産営業(売買・賃貸・投資)

不動産業界で最も求人数が多いのが営業職です。扱う物件や対象顧客によって、いくつかのタイプに分けられます。
| 営業タイプ | 主な業務 | 特徴 |
|---|---|---|
| 売買仲介営業 | 中古住宅・土地の売買を仲介 | 高額取引、成約までに時間がかかることも |
| 賃貸仲介営業 | 賃貸物件の紹介・契約 | 取引件数が多い、比較的短期で成約 |
| 新築販売営業 | 新築マンション・戸建ての販売 | モデルルームでの接客が中心 |
| 投資用不動産営業 | 収益物件の売買・提案 | 富裕層や投資家が対象、金融知識が必要 |
| 土地活用営業 | 土地所有者への活用提案 | 地主へのアプローチ、信頼関係構築が重要 |
営業職は成果報酬型の給与体系が多く、実績次第で高収入を得られる可能性があります。一方で、数字へのプレッシャーが大きい面もあるため、自分の性格や価値観と照らし合わせて検討しましょう。
不動産管理・プロパティマネジメント

不動産管理は、オーナーに代わって賃貸物件やマンションの管理・運営を行う仕事です。営業職とは異なり、既存顧客との関係維持が中心となります。
主な業務内容は以下の通りです。
- 入居者対応(問い合わせ、クレーム処理、契約更新)
- 建物・設備の維持管理(修繕手配、定期点検)
- 家賃の集金・督促
- オーナーへの報告・提案
- 空室対策(リフォーム提案、募集条件の見直し)
管理業務は景気に左右されにくく、安定した収益を生むストック型ビジネスです。長期的な関係構築を重視できる方や、コツコツと業務をこなすことが得意な方に向いています。
不動産事務・バックオフィス職

不動産会社には、営業職を支えるバックオフィス職も欠かせません。事務職は未経験でも挑戦しやすく、ワークライフバランスを重視する方に人気があります。
| 職種 | 主な業務 |
|---|---|
| 一般事務 | 書類作成、電話対応、来客対応 |
| 営業事務 | 契約書類の作成、物件情報の入力、広告掲載手配 |
| 経理事務 | 入出金管理、仕訳処理、請求書発行 |
| 宅建事務 | 重要事項説明書の作成補助、契約関連業務 |
事務職でも宅地建物取引士の資格を持っていると、重要事項説明を担当できるため重宝されます。資格手当が支給される会社も多いため、スキルアップを目指すなら取得を検討しましょう。
未経験から挑戦しやすい職種
不動産業界は、未経験者を積極的に採用している会社が多い業界です。特に以下の職種は、未経験からでも挑戦しやすいとされています。
- 賃貸仲介営業:取引サイクルが短く、早期に成功体験を積みやすい
- 不動産事務:専門知識がなくても始められ、働きながら学べる
- 反響営業:問い合わせ対応から始まるため、飛び込み営業が苦手な方にも向いている
- 不動産管理:既存顧客対応が中心で、新規開拓のプレッシャーが少ない
未経験で入社した場合、多くの会社では先輩社員への同行や研修を通じて実務を学びます。最初の1〜2年は学習期間と捉え、焦らずにスキルを身につけていく姿勢が大切です。
不動産業界の求人・中途採用の特徴
不動産業界は求人数が多く、転職市場でも活発な業界です。求人の特徴を理解しておくことで、効率的に転職活動を進められます。
求人数が多い理由と背景
不動産業界で求人が多い背景には、以下のような要因があります。
- 業界全体の人手不足:慢性的に人材が不足しており、採用ニーズが高い
- 離職率の高さ:成果主義の厳しさから離職する人もおり、常に補充が必要
- 事業拡大傾向:不動産市況の好調を背景に、拠点拡大や人員増強を図る企業が多い
- 中小企業の多さ:業界全体で中小規模の会社が多く、それぞれが採用活動を行っている
厚生労働省の有効求人倍率データを見ても、不動産業界は他業界と比較して高い水準で推移していることが多いです。転職希望者にとっては、選択肢が豊富な業界といえます。
中途採用で求められる経験・スキル
不動産業界の中途採用では、以下のような経験・スキルが評価されます。
| 評価される経験・スキル | 具体例 |
|---|---|
| 営業経験 | 法人営業、個人営業、接客販売など |
| コミュニケーション力 | ヒアリング、提案、交渉の経験 |
| 宅地建物取引士資格 | 保有していれば即戦力として評価 |
| 金融・ローンの知識 | 銀行員、保険営業などの経験 |
| 建築・リフォームの知識 | 建設会社、住宅メーカーでの経験 |
| 接客・サービス業経験 | ホテル、小売、飲食などの接客経験 |

不動産業界は「人と接する仕事」が中心であるため、業界未経験でも接客・営業経験があれば評価されやすい傾向があります。
未経験者歓迎求人の実態
「未経験者歓迎」と記載された求人は数多くありますが、その実態はさまざまです。転職活動の際は、以下の点を確認しておくと安心です。

- 研修制度の有無:入社後にどのような教育を受けられるか
- 先輩同行の期間:独り立ちするまでのサポート体制
- 資格取得支援:宅建取得のための費用補助や勉強時間の確保
- 給与体系:固定給とインセンティブの割合
- 離職率:直近の離職率や平均勤続年数
「未経験歓迎」の裏には「すぐに辞める人が多いから常に募集している」というケースも存在します。面接時に教育体制や働き方について具体的に質問し、入社後のミスマッチを防ぐことが重要です。
不動産業界への転職で役立つ資格・スキル
不動産業界で働く上で、資格やスキルは大きな武器になります。転職前に取得しておくと有利になるものを紹介します。
宅地建物取引士(宅建)の重要性
不動産業界で最も重要な資格が「宅地建物取引士(宅建士)」です。
宅建士は国家資格であり、以下の独占業務を行うことができます。
- 重要事項説明の実施
- 重要事項説明書への記名
- 契約書(37条書面)への記名
不動産会社は、事務所ごとに従業員5人につき1人以上の宅建士を設置する義務があります。そのため、宅建士資格を持っていると採用で有利になるケースが多いです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 試験時期 | 毎年10月(年1回) |
| 合格率 | 15〜18%程度 |
| 勉強時間の目安 | 300〜500時間 |
| 資格手当の相場 | 月額1万〜3万円程度 |
合格率は決して高くありませんが、独学でも合格可能な資格です。不動産業界への転職を本気で考えているなら、早めに勉強を始めることをおすすめします。
そのほか評価されやすい資格
宅建士以外にも、不動産業界で評価される資格はいくつかあります。
| 資格名 | 概要 | 活かせる場面 |
|---|---|---|
| ファイナンシャルプランナー(FP) | 資金計画・ライフプランのアドバイス | 住宅購入時の資金相談 |
| 住宅ローンアドバイザー | 住宅ローン選びの専門知識 | ローン審査・借り換え相談 |
| 管理業務主任者 | マンション管理の専門資格 | 分譲マンション管理 |
| マンション管理士 | 管理組合へのコンサルティング | マンション管理業務 |
| 不動産鑑定士 | 不動産の経済価値を判定 | 鑑定・評価業務 |
| 賃貸不動産経営管理士 | 賃貸管理の専門資格 | 賃貸物件管理 |

これらの資格は必須ではありませんが、持っていれば専門性をアピールでき、業務の幅も広がります。転職後にステップアップを目指すなら、計画的に取得を進めましょう。
資格なしでも活かせる経験とは
資格がなくても、これまでの経験が不動産業界で活きる場面は多くあります。
- 営業経験:提案力・交渉力・クロージング力は直接活かせる
- 接客経験:顧客対応力、傾聴力、ホスピタリティ
- 金融業界経験:ローン知識、資金計画の提案力
- 建築・リフォーム経験:物件の良し悪しを判断できる目
- IT・Web業界経験:ポータルサイト運用、デジタルマーケティング
- 事務職経験:正確な書類作成、スケジュール管理
転職活動では、これまでの経験を「不動産業界でどう活かせるか」という視点で言語化することが大切です。業界は違っても、共通するスキルは必ずあります。
不動産業界の転職で気になる年収・キャリアパス
転職を検討する際、年収や将来のキャリアパスは重要な判断材料です。不動産業界の収入事情とキャリアの選択肢を解説します。
職種別・経験別の年収傾向
不動産業界の年収は、職種や経験年数によって大きく異なります。以下は一般的な目安です。
| 職種 | 未経験〜2年目 | 3〜5年目 | 6年目以上 |
|---|---|---|---|
| 売買仲介営業 | 350〜500万円 | 500〜700万円 | 700〜1,200万円以上 |
| 賃貸仲介営業 | 300〜400万円 | 400〜550万円 | 500〜700万円 |
| 不動産管理 | 300〜400万円 | 400〜500万円 | 500〜650万円 |
| 不動産販売 | 350〜500万円 | 500〜800万円 | 800〜1,500万円以上 |
営業職、特に売買仲介や不動産販売は、成果に応じたインセンティブが大きく、トップ営業になれば年収1,000万円を超えることも珍しくありません。
一方、管理職や事務職は固定給の割合が高く、営業職ほどの振れ幅はありませんが、安定した収入を得やすい傾向があります。
キャリアアップとキャリアチェンジの選択肢
不動産業界でのキャリアパスは、大きく分けて以下の選択肢があります。
- 社内昇進:営業職 → 店長 → エリアマネージャー → 役員
- 専門職化:売買仲介 → 投資用不動産専門、相続コンサル、鑑定士など
- 職種変更:営業 → 管理、管理 → 企画開発など
- 独立開業:自分の会社を設立して不動産業を営む
- フランチャイズ加盟:大手ブランドの看板とノウハウを活用して開業
経験を積むほど選択肢は広がります。特に独立開業を視野に入れている場合、売買仲介で経験を積んでから独立するパターンが多く見られます。

独立開業やフランチャイズ加盟を選ぶ場合は、宅建業免許の取得、事務所の設置、開業資金の確保が必要です。いきなり独立するのではなく、まずは業界経験を積んでからキャリアプランを具体化することをおすすめします。
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不動産業界への転職を成功させるポイント
不動産業界への転職を成功させるために、押さえておきたいポイントを解説します。
転職時期・タイミングの考え方
不動産業界への転職に適したタイミングは、以下のように考えられます。
- 1〜3月:繁忙期に向けた採用が活発化しやすい
- 7〜9月:下半期に向けた人員補強の動きが見られる
- 宅建試験後(10〜11月):合格者を狙った求人が増える傾向
一般的に、不動産業界は1〜3月と9〜11月が繁忙期です。この時期に合わせて採用を強化する会社が多いため、転職活動のスタート時期を逆算して準備を進めましょう。
また、宅建試験の合格発表(11月下旬〜12月上旬)後は、資格保有者を求める求人が増える傾向があります。試験に合格した方は、このタイミングを活かすのも一つの戦略です。
向いている人・向いていない人の特徴
不動産業界には、向き不向きがあります。転職前に自分の適性を確認しておきましょう。
| 向いている人 | 向いていない人 |
|---|---|
| 成果報酬型の働き方にやりがいを感じる | 安定した固定収入を重視する |
| 人と話すことが好き | 一人で黙々と作業したい |
| 自分で考えて動ける | 指示がないと動けない |
| 数字(目標)に対する意識が高い | ノルマへのプレッシャーに弱い |
| 土日出勤も許容できる | 土日休みが絶対条件 |
| 高額な取引に責任を持てる | リスクを負うことに抵抗がある |
不動産業界は、精神的なタフさと自己管理能力が求められる仕事が多いです。自分の性格や価値観と照らし合わせて、無理なく働けるかどうかを判断しましょう。
転職活動で失敗しやすい注意点
不動産業界への転職で失敗しないために、以下の点に注意してください。
- 給与の内訳を確認しない:求人票の「年収例」がインセンティブ込みの最高額である場合がある
- 研修制度を確認しない:未経験歓迎でも、放置されるケースがある
- 会社の評判を調べない:離職率が高い会社、ブラック企業の見極めが必要
- 業界研究が不十分:「なんとなく稼げそう」というイメージだけで決めない
- 複数社を比較しない:最初の内定に飛びつかず、複数社を比較検討する
特に給与体系については、「固定給がいくらか」「インセンティブの計算方法」「目標未達時の扱い」などを具体的に確認しておくことが重要です。
不動産業界に強い転職エージェント・求人サイトの選び方
不動産業界への転職では、業界に精通した転職エージェントや求人サイトを活用することで、効率的に求人を探せます。
エージェントを利用するメリット
転職エージェントを利用するメリットは、以下の通りです。
- 非公開求人を紹介してもらえる:一般に公開されていない好条件の求人にアクセスできる
- 企業の内情を教えてもらえる:実際の働き方や社風、離職率などの情報を得られる
- 書類添削・面接対策を受けられる:業界に詳しいアドバイザーからサポートを受けられる
- 条件交渉を代行してもらえる:年収や入社日などの交渉を任せられる
- 効率的に転職活動を進められる:自分に合った求人を絞り込んで紹介してもらえる
特に未経験で不動産業界を目指す場合は、業界知識のあるエージェントに相談することで、自分に合った職種や会社を見つけやすくなります。
未経験者におすすめの転職エージェント
未経験から不動産業界を目指す方には、以下のようなタイプのエージェントがおすすめです。
| エージェントの特徴 | メリット |
|---|---|
| 総合型大手エージェント | 求人数が豊富、業界を問わず比較検討できる |
| 不動産業界特化型エージェント | 業界知識が深く、専門的なアドバイスを受けられる |
| 未経験者向けエージェント | 未経験歓迎求人を多く保有、キャリアチェンジのサポートが手厚い |
| 20代・第二新卒向けエージェント | 若手向け求人が充実、ポテンシャル採用の求人が多い |
複数のエージェントに登録して、それぞれの強みを活かすのも有効な方法です。担当者との相性もあるため、信頼できるアドバイザーを見つけることを意識しましょう。
ハイクラス・専門職向けエージェント
不動産業界での経験がある方や、管理職・専門職を目指す方には、以下のようなエージェントが適しています。
- ハイクラス専門エージェント:年収600万円以上の求人を中心に扱う
- 不動産業界特化型エージェント:業界経験者向けの専門求人を保有
- エグゼクティブサーチ型:ヘッドハンティング形式でスカウトを受けられる
経験者採用では、これまでの実績やスキルを適切に評価してくれる会社を選ぶことが重要です。エージェントを通じて、自分の市場価値を客観的に把握しておくとよいでしょう。
まとめ:不動産業界への転職で押さえておきたいポイント
不動産業界は、未経験者でも挑戦しやすく、実力次第で高収入やキャリアアップを目指せる業界です。
記事のポイントを整理すると、以下の通りです。
- 不動産業界には売買仲介、賃貸仲介、管理、開発などさまざまな分野がある
- 未経験者歓迎の求人は多いが、研修制度や教育体制の確認が重要
- 宅地建物取引士の資格は業界で最も重要視され、取得しておくと有利
- 年収は職種や成果によって大きく異なり、売買仲介営業なら1,000万円超も可能
- 転職成功のポイントは、自分の適性を見極め、複数社を比較検討すること
- 業界特化型の転職エージェントを活用すると、効率的に求人を探せる

不動産業界への転職は、しっかりと準備をすれば未経験からでも十分にチャンスがあります。まずは業界研究を深め、自分に合った職種や働き方を見つけることから始めてみてください。







