2025.02.26
フランチャイズのロイヤリティ完全ガイド | 種類・相場・注意点を徹底解説

著者情報

我妻 貴之(加盟開発課 課長) 詳細プロフィール
不動産業界で18年以上の経験を持ち、賃貸仲介から売買、競売入札、民泊運用まで幅広く対応。不動産経営の最適化を目指し、開業や事業拡大をサポート。
フランチャイズ加盟店になるにはロイヤリティがかかりますが、「そもそもロイヤリティって何だろう?」「どのくらい払うのだろう?」と、疑問に思っている方も多いでしょう。
そこで本記事では、ロイヤリティの種類や相場、注意点などの“ロイヤリティの基本部分”を説明します。ロイヤリティはフランチャイズ契約に必ずかかるランニングコストなので、仕組みや注意点を理解して、加盟を検討してください。
この記事の要約
- フランチャイズのロイヤリティは、商標使用や経営サポートの対価として支払う
- ロイヤリティには「定額方式」「売上歩合方式」「粗利分配方式」の3種類がある
- 加盟先選定時は料金だけでなく、ブランド力やサポート内容も総合的に判断するべき
フランチャイズ(FC)のロイヤリティとは?

フランチャイズ(FC)におけるロイヤリティは、フランチャイザー(本部)に支払う料金のことです。加盟店はロイヤリティを払うことで、フランチャイザーの商標やブランド名を使い、経営に役立つノウハウ提供などのサポートが受けられます。

なお、加盟金は契約時のみに支払いますが、ロイヤリティはフランチャイズ契約を続ける限りは毎月または定期的に払い続けなくてはなりません。
SUMiTASフランチャイズのロイヤリティ情報はこちら!
フランチャイズ(FC)加盟にかかるロイヤリティの種類
ロイヤリティには「定額方式」「売上歩合方式」「粗利分配方式」の3種類あり、それぞれ算出方法が異なります。相場をお伝えする前に、まずはロイヤリティの種類と特徴を知っておきましょう。
1.定額方式
「定額方式」は文字通り、毎月支払うロイヤリティが固定されている方式です。
売上にかかわらず毎月決まった額を支払うので、資金計画(キャッシュフロー)を立てやすく、売上が増えても手元に多くの利益を残せます。

たとえばロイヤリティが月10万円ならば、売上が0円でも10万円、100万円でも10万円と、払う料金は変わりません。売上が安定しづらい起業当初や経営が落ち込んだときなどには、ロイヤリティの支払いによって赤字になってしまう恐れがあります。
2.売上歩合方式
「売上歩合方式」は月ごとの売上に応じたロイヤリティを払う方式で、3種類ある支払い方式の中で、最も多く採用されています。
たとえば割合が10%なら、売上100万円で10万円、500万円で50万円と、売上に比例してロイヤリティも増えていくのが特徴です。売上が少なければロイヤリティも減るため、売上が0万円ならロイヤリティも0円になります。

売上が多い加盟店の費用負担が大きくなりすぎる恐れがあるため、一定の売上を超えた加盟店に対してはロイヤリティの割合を下げるなど、優遇措置を設けているフランチャイザーもあります。
3.粗利分配方式
「粗利分配方式」は月ごとの売上高から仕入原価を差し引いた粗利益に応じて、ロイヤリティを支払う方式です。主にコンビニで採用されており、他の業種でみられることはほぼありません。
たとえば割合が30%の場合、売上が200万円、仕入原価が50万円ならば、粗利益として残る150万円に対してロイヤリティがかかるので、45万円を払うことになります。

仕入原価を差し引く分、割合は売上歩合方式よりも高くなっている場合がほとんどです。
ロイヤリティの相場
前章で説明したようにロイヤリティの支払い方式は3種類あり、それぞれ算出方法が違えば、金額や割合も変わってきます。ここでは職種と業種別に、ロイヤリティの相場を見ていきましょう。
種類別の相場
まずは、ロイヤリティの種類別の相場を見てみましょう。
相場 | |
---|---|
定額方式 | 20万円以下 |
売上歩合方式 | 10%以下 |
粗利益分配方式 | 30~70% |
売上歩合方式と粗利益分配方式は、どちらも一定割合を乗じてロイヤリティを算出する方法ですが、その割合には大きな差があります。
これにはコンビニ出店の成功率の高さや、フランチャイズ市場で独占状態であることなどが影響しています。
業種別の相場
続いて、業種別のロイヤリティの相場を見てみましょう。
相場 | |
---|---|
飲食店 | 売上の3~10% |
エステ | 売上の3~10%定額3~5万円 |
ジム | 売上の12%〜15%定額5~30万円 |
学習塾 | 売上の10~30%(入会金は30~50%) |
不動産会社 | 売上の5%〜10%定額10~30万円 |
ハウスクリーニング | 売上の5~10%定額4〜10万円 |
コンビニ | 粗利益の30~70% |
では、売上によってロイヤリティがどのくらい変わるのか、一定割合を乗じるケースのみでシミュレーションしてみましょう。
50万円 | 100万円 | 200万円 | |
---|---|---|---|
飲食店 | 1.5~5万円 | 3~10万円 | 6~20万円 |
エステ | 1.5~5万円 | 3~10万円 | 6~20万円 |
ジム | 6~7.5万円 | 12~15万円 | 24~30万円 |
学習塾 | 5~15万円 | 10~30万円 | 20~60万円 |
不動産会社 | 2.5万円~5万円 | 5~10万円 | 10~20万円 |
ハウスクリーニング | 2.5万円~5万円 | 5~10万円 | 10~20万円 |
コンビニ(粗利益の場合) | 15~35万円 | 30~70万円 | 60~140万円 |
料金ごとのロイヤリティを計算してみると、定額方式と料金は売上歩合方式の100万円帯と同じくらいのロイヤリティになっていることがわかります。

支払い方式を自分で決められるのなら、売上100万円がロイヤリティの種類を決めるボーダーラインとなるでしょう。
ロイヤリティの注意点
ここまで、ロイヤリティの種類や相場を説明してきました。
ロイヤリティは複数のフランチャイザーで迷っているときの指標のひとつになりますが、知っておくべき注意点もあります。
料金だけで加入を決めない
前章で挙げたのはあくまで相場なので、同じ支払い方式や業種であっても、フランチャイザーによってロイヤリティはさまざまです。
できるだけ経営にかかる維持費を抑えるために、「少しでもロイヤリティが低いフランチャイザーと契約しよう」と考えるかもしれませんが、それはおすすめできません。
ロイヤリティはノウハウ提供やサポートを受ける対価なので、低ければいいわけではないからです。ロイヤリティが低くてもサポート体制が整っていない会社と契約してしまうと、フランチャイズ加盟店として起業するメリットは得られません。

フランチャイザーを決めるときには、ロイヤリティだけではなく、ブランド力や提供内容も比較して総合的に判断しましょう。
支払い続けられるか慎重に検討する
加盟金を払うのは契約時のみですが、ロイヤリティは契約を続ける間は支払い続けなくてはなりません。とくに定額方式の場合は売上にかかわらず料金が一定のため、売上が少ないと支払いが厳しくなるリスクがあります。
支払いができなくなったときには契約解除が可能ですが、契約条件によっては期間内は解約ができないことや、違約金がかかることもあるため、「とりあえず」と気軽に契約するのはおすすめできません。
フランチャイザーを決めるときには、支払い続けられる料金であるのかも、事業計画と含めてしっかりとシミュレーションしておきましょう。
ロイヤリティだけではなく、サポート内容などから加盟の検討を!
フランチャイズのロイヤリティは、業種はもちろん、フランチャイザーによっても異なります。毎月支払うものなので「できるだけ安いほうがいい」と考えるかもしれませんが、加盟店になるメリットを得るためには料金だけではなく、ブランド力やサポート内容も重要です。
起業前のノウハウ提供のほか、起業後にどのようなサポートが受けられるのかなどを、しっかりと確認し、複数の会社を比較してみてください。
Point!
SUMiTASフランチャイズは不動産売買のサポートを行っており、加盟金150万円、ロイヤリティ月額5万円で、営業マニュアルや集客方法などの経営にかかわる最大限の支援をいたします。
事業計画などの相談も承っておりますので、不動産事業に新規参入をご検討の方は、お気軽にご相談ください。