2024.09.27
フランチャイズ起業のメリットとデメリット、起業の選択肢を解説
著者情報
我妻 貴之(加盟開発課 課長) 詳細プロフィール
不動産業界で18年以上の経験を持ち、賃貸仲介から売買、競売入札、民泊運用まで幅広く対応。不動産経営の最適化を目指し、開業や事業拡大をサポート。
起業に興味はあるものの、「業界経験がないから不安」と、二の足を踏んでいる方もいらっしゃると思います。
業界未経験者の起業でおすすめしたいのが、“フランチャイズへの加盟”です。
本部となるフランチャイザーからノウハウ提供が受けられるため、初心者でも安心して起業にチャレンジできるなど、さまざまなメリットがあります。
本記事では、フランチャイズのメリットとデメリット、起業の選択肢などをお伝えします。起業をお考えの方は、ぜひ参考にしてください。
この記事の要約
- フランチャイズはノウハウ提供により未経験でも安心して起業可能である
- メリットはブランド力、ノウハウ提供、システム活用などが挙げられる
- デメリットは加盟金、ロイヤリティ、運営の制約が発生する点である
フランチャイズ起業とは?
そもそもフランチャイズは、どのような起業方法なのでしょうか。メリットとデメリットをお伝えする前に、まずはフランチャイズの仕組みから説明します。
フランチャイザーと契約して店舗を運営する方法
冒頭でもお伝えしたように、フランチャイザーと契約を結び、その会社の商標やブランド名を使って起業する方法を「フランチャイズ(FC)」といいます。
屋号(個人事業の名称)は自分で決めますが、店舗名や事務所名はフランチャイザーの名前を使うのが特徴です。
フランチャイズの仕組み
フランチャイズの仕組みは、とてもシンプルです。
フランチャイザーの商標やブランド名の利用、経営ノウハウなどを受ける対価として、フランチャイジー(契約者)が加盟金やロイヤリティを払います。
経営ノウハウの提供は、事前研修や営業マニュアル、面談、成功事例の情報共有が代表的で、実務を円滑に進めるためのシステムを提供しているフランチャイザーもあります。
フランチャイズ起業のメリット
フランチャイズ加盟店としての起業には、次のようなメリットがあります。
- ブランド力と集客力が期待できる
- 業界未経験でもノウハウを得られる
- システムの導入で作業を効率化できる
それぞれ見ていきましょう。
ブランド力と集客力が期待できる
どの業種においても、起業で大きな難関となるのが“集客”です。独立店舗(事務所)として起業するときには、まずは顧客からの知名度と信頼性を高めるところからのスタートになるため、安定した集客ができるようになるまでには時間を要します。
収入が安定するまでにも、それなりの時間がかかるものです。
しかしフランチャイズ加盟店としての起業なら、集客に苦戦しがちな起業当初も、信頼性の高いフランチャイザーの看板による集客力が期待できます。集客は売上にもつながるため、“収入が安定しやすい”という複合的なメリットも得られるでしょう。
業界未経験でもノウハウを得られる
未経験業種での起業は、まず業界の知識を蓄えるところから始めなくてはなりません。それだけでも時間がかかりますが、その後も経営面、労務面など学ぶことは山積みです。
しっかりと勉強をしたとしても、起業後しばらくは試行錯誤をしながらの営業になるでしょう。
しかしフランチャイズ加盟店としての起業なら、営業マニュアルの提供や事前研修があるため、短期間で効率的に経営ノウハウを学ぶことができます。
さらにフランチャイザーとの定期的な面談も受けられるので、起業前だけではなく起業後も安心です。
システムの導入で作業を効率化できる
起業における業務は、営業だけにとどまりません。
売上管理や帳簿付け、顧客管理、給与管理などのさまざまな業務が発生するため、会社勤めのとき以上にやるべきことや、やらなくてはいけないことがぐっと増えます。
それらの業務はシステムがあれば効率化できますが、導入やカスタマイズには多額の資金が必要です。
大きなお金が動く起業当初は、導入が難しいかもしれません。
そんなときに役立つのが、フランチャイザーが提供するシステムの利用です。
システムを提供しているフランチャイザーと契約すれば、自分で高額な初期費用を払うことなくシステムを使えます。
ただしロイヤリティとは別でシステム利用料がかかるケースもあるので、システムの利用を希望する方は、料金面もしっかり確認しておきましょう。
フランチャイズ起業のデメリット
業界未経験者でも安心して起業にチャレンジできるフランチャイズですが、メリットもあれば、以下のようにデメリットとも取れる部分もあります。
- 加盟金やロイヤリティがかかる
- 運営や出店場所に制限が出る可能性がある
- ブランドイメージが集客に大きく影響する
起業後に後悔しないためにも、ここでしっかりと確認しておきましょう。
加盟金やロイヤリティがかかる
フランチャイズ加盟店になるためには、契約時の加盟金と、月々のロイヤリティが必要です。加盟金の相場は、業種にかかわらず100〜300万円ほどになります。
ロイヤリティに関しては、業種によって次のように異なります。
定率方式 | 定額方式 | |
---|---|---|
外食業 | 3~10% | 3万円~8万円 |
小売業 | 30~60% | ー |
サービス業 | 3〜10% | 10〜30万円 |
定率方式は基準となる金額(粗利益や売上)に応じてロイヤリティが決まり、定額方式は売上や粗利益にかかわらず、払うロイヤリティは一定です。
外食業とサービス業は定率方式と定額方式のどちらかになりますが、小売業は定率方式になっているフランチャイザーがほとんどです。
運営や出店場所に制限が出る可能性がある
起業は自分で経営方針を自由に決められる点がメリットですが、フランチャイズ加盟店になると、本部の方針に従うのが基本です。そのため自分が思うような運営ができず、もどかしさを感じてしまうかもしれません。
さらに希望する出店場所付近にすでに加盟店がある場合は、出店が制限される可能性もあります。さまざまな制限が出てしまう点は、フランチャイズのデメリットと言える部分です。
しかしこれらのデメリットは、契約前に経営方針や可能な出店場所を確認しておくことで避けられます。自分の希望を叶えられるフランチャイザーを探しましょう。
ブランドイメージが集客に大きく影響する
メリットで挙げたように、フランチャイズ加盟では本部のブランド力が集客力に大きく影響します。それはプラスイメージだけではなく、マイナスイメージも同じです。
万が一本部や加盟店で不祥事が起こったときには、自分の店舗や事務所にまで影響してしまう恐れがあります。
フランチャイズ加盟店として起業する際には、ブランド名がプラスだけではなくマイナスに影響するリスクがある点も念頭に置き、その対策も考えておかなくてはなりません。
フランチャイズ起業の選択肢
ここまでフランチャイズで起業するメリットとデメリットをお伝えしてきましたが、フランチャイズにはどのような種類があるのでしょうか。
最後に、「外食業」「小売業」「サービス業」の中から、具体的な選択肢をお伝えします。
飲食店のような外食業
外食業のフランチャイズでは、主に店舗を設けて店内で調理した食品を提供します。主な選択肢は次の通りです。
- ハンバーガーショップ
- 牛丼店
- ラーメン店
- そば、うどん店
- 居酒屋
- ファミリーレストラン
- ベーカリーショップ
など
外食業のフランチャイズは選択肢が多い点がメリットです。
フランチャイズの歴史が長い飲食店も多いので、ノウハウが蓄積されているフランチャイザーを選べば安心して起業できるでしょう。
コンビニやスーパーのような小売業
商品を仕入れて販売する小売業には、生活必需品から嗜好品までさまざまな種類があります。そのためフランチャイズにも、次のような数多くの選択肢があります。
- コンビニ
- スーパー
- アパレルショップ
- 雑貨店
- 100円ショップ
- リサイクルショップ
- アウトドア用品店
- 無人販売店
など
上記を見てわかるように、小売業にはさまざまなジャンルのフランチャイズがあります。
小売業は流行に沿ったものも多く、少し前ならタピオカショップや唐揚げ専門店が人気でした。最近では人件費がほぼかからない、餃子やスイーツ、パンなどを扱う無人販売店のフランチャイズも注目されています。
不動産会社や美容院などのサービス業
物ではなくサービスを提供するサービス業のフランチャイズにも、次のようにさまざまな選択肢があります。
- 不動産会社
- 美容院
- エステサロン
- クリーニング店
- コインランドリー
- 学習塾
- パソコン教室
- レンタルショップ
- 印刷会社
- 介護サービス
- 宅食
- リペア(修理、補修、修繕)
- フィットネスクラブ
など
小売業と同様にサービス業にも幅広い業種があり、選択肢がとても多いのが特徴です。
サービス業のフランチャイズでは、長期的に見た時代のニーズを汲み取ることが重要になります。
たとえば高齢化に伴う介護サービスや宅食のような高齢者向けのサービス、中古物件の需要増加に合わせた売買を扱う不動産会社などが近年注目されています。
自分の興味がある業種を選ぶことももちろん大切ですが、時代の流れなども踏まえて、フランチャイズを選びましょう。
業界未経験者にはフランチャイズ起業が安心!メリットとデメリットから検討を
起業には経営や集客などでさまざまな悩みがつきものですが、フランチャイズ加盟店になれば、それらの悩みや不安を解消して初心者でも安心して起業に挑戦できるでしょう。
ただし提供を受ける対価として、加盟金やロイヤリティなどがかかるので、起業資金はもちろん維持費や運転資金を含めた事業計画が必要です。
起業の際には、今回説明したメリットとデメリットを比較しながら、フランチャイズ加盟したほうがいいのかを慎重に検討してみてください。
Point!
SUMiTASフランチャイズは、加盟金100万円、ロイヤリティ月5万円と、業界でも低水準な料金で加盟をしていただけます。
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全国各地でセミナーや説明会なども開催しておりますので、フランチャイズ加盟での起業をお考えの方は、お気軽にご相談ください。