2025.02.26
売買仲介の仕事内容とは?不動産売買仲介の業務内容・年収・必要な資格をわかりやすく解説

著者情報

我妻 貴之(加盟開発課 部長) 詳細プロフィール
不動産業界で18年以上の経験を持ち、賃貸仲介から売買、競売入札、民泊運用まで幅広く対応。不動産経営の最適化を目指し、開業や事業拡大をサポート。
不動産売買仲介は、売主と買主の間に立ち、不動産取引を成立させる仕事です。賃貸仲介と比べて取引単価が高く、独立・開業を目指す方からも注目されています。

この記事では、売買仲介の業務内容や年収、必要な資格、キャリアパスまでを詳しく解説します。不動産業界への転職や独立開業を検討中の方は、ぜひ参考にしてください。
この記事のハイライト
- 不動産売買仲介なら在庫リスクなしで高額報酬・年収アップも目指せる
- トップ営業なら年収1,000万円以上も狙える
- 重要事項説明などに必要な宅地建物取引士の資格取得が重要
目次
不動産売買仲介の魅力と基本をわかりやすく解説
不動産売買仲介とは、土地や建物を売りたい人(売主)と買いたい人(買主)の間に立ち、取引の成立をサポートする業務です。宅地建物取引業法に基づく業務であり、契約成立時に仲介手数料を受け取ることで収益を得ます。
賃貸仲介・不動産販売との違い

不動産業界には、売買仲介以外にも「賃貸仲介」や「不動産販売」といった業態があります。それぞれの違いを整理しておきましょう。
| 業態 | 主な業務内容 | 取引対象 | 報酬形態 |
|---|---|---|---|
| 売買仲介 | 売主・買主双方のマッチング | 既存物件(中古住宅・土地など) | 仲介手数料 |
| 賃貸仲介 | 貸主・借主のマッチング | 賃貸物件 | 仲介手数料 |
| 不動産販売 | 自社物件の販売 | 新築マンション・建売住宅など | 物件の売上 |
賃貸仲介は回転率が高い一方、1件あたりの手数料は比較的低額です。不動産販売は自社で物件を仕入れて販売するため、在庫リスクを抱えます。
売買仲介は在庫リスクがなく、成約すれば高額な手数料を得られる点が特徴です。ただし、契約成立までに時間がかかるケースも多く、安定した収入を得るには一定のスキルと経験が求められます。
売買仲介の役割と立ち位置
売買仲介会社は、売主・買主双方にとって「信頼できる専門家」として機能します。具体的には、次のような役割を担います。
- 適正な査定価格の提示(売主向け)
- 購入条件に合う物件の提案(買主向け)
- 価格交渉や条件調整の仲立ち
- 契約書類の作成と重要事項説明
- 決済・引き渡しまでの進行管理
売買仲介会社が介在することで、法的リスクの軽減や取引の透明性確保が図られます。特に不動産取引は金額が大きく、専門知識がないと判断が難しい場面も多いため、仲介会社の存在価値は大きいといえます。
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売主対応・買主対応・契約業務など売買仲介の具体的な仕事
売買仲介の業務は、売主側の対応と買主側の対応に大きく分かれます。また、契約から決済までの事務手続きも重要な仕事です。
売主対応の業務内容
売主から物件を預かり、買い手を探す業務を「元付け」と呼びます。具体的な業務内容は以下の通りです。
- 物件の査定と売却プランの提案
- 媒介契約の締結(専任・専属専任・一般)
- 物件情報の登録(レインズへの登録など)
- 広告・販売活動(ポータルサイト掲載、チラシ作成など)
- 内見対応と買主への物件案内
- 購入希望者との条件交渉
- 売主への活動報告
売主の信頼を得るためには、査定の正確さと販売戦略の説明力が重要です。また、定期的な報告を怠らないことも、長期的な関係構築につながります。
SUMiTASの「一括査定サイト」活用ノウハウ
SUMiTASでは、近年利用が拡大している「一括査定サイト」を効果的に活用するための実践的なノウハウを数多く蓄積しています。サイト経由での売却相談への対応や成約率を高めるポイントなど、反響を成果につなげるための工夫を日々アップデートし、加盟店にも共有しています。

一括査定サイト活用でお悩みの不動産会社も、ぜひご相談ください。
買主対応の業務内容
買主の希望条件に合う物件を探し、購入をサポートする業務を「客付け」と呼びます。主な業務内容は以下の通りです。
- 購入希望者へのヒアリング(予算・エリア・条件など)
- 条件に合う物件の検索・提案
- 物件案内と内見の実施
- 購入申込書の作成サポート
- 住宅ローンの事前審査サポート
- 価格や引き渡し条件の交渉
買主対応では、ニーズを正確に把握し、的確な物件を提案できるかが成約率を左右します。初めて不動産を購入する方も多いため、丁寧な説明とフォローが求められます。
契約・決済までの対応業務
売主・買主の合意が得られたら、契約から決済までの手続きを進めます。この段階では、事務処理能力と段取り力が試されます。
- 重要事項説明書の作成と説明(宅地建物取引士が担当)
- 売買契約書の作成と締結
- 手付金の授受管理
- 住宅ローンの本審査サポート
- 決済日の調整と関係者との連絡
- 残代金の授受と物件引き渡しの立ち会い
- 登記手続きの手配(司法書士との連携)
契約・決済業務はミスが許されないため、チェックリストを活用した確実な進行管理が求められます。
不動産売買仲介の業務フロー
売買仲介の全体像を理解するために、元付け・客付け・契約から引き渡しまでの流れを確認しておきましょう。
受託(元付け)業務の流れ
- 売却相談の受付
- 物件調査と査定の実施
- 査定結果の報告と媒介契約の提案
- 媒介契約の締結
- 販売活動の開始(広告掲載・レインズ登録)
- 購入希望者からの問い合わせ対応
- 内見対応と購入申し込みの受付
- 売主への報告と条件交渉
- 契約手続きへ移行
元付け業務では、査定から成約まで数ヶ月かかることも珍しくありません。売主との信頼関係を維持しながら、粘り強く販売活動を続ける姿勢が大切です。
客付け業務の流れ
- 購入相談の受付
- 希望条件のヒアリング
- 物件の検索・リストアップ
- 物件提案と内見の調整
- 内見の実施
- 購入申込書の作成
- 住宅ローン事前審査のサポート
- 元付け会社との条件交渉
- 契約手続きへ移行
客付け業務は、買主の要望が明確であれば比較的短期間で成約に至ることもあります。一方で、条件が曖昧な場合は長期化しやすいため、早い段階で優先順位を整理することがポイントです。
売買契約から引き渡しまでの流れ
- 重要事項説明書の作成
- 重要事項説明の実施(宅建士が対面で説明)
- 売買契約の締結と手付金の授受
- 住宅ローン本審査の申し込み
- ローン承認後、決済日の確定
- 決済当日:残代金の支払い・所有権移転登記
- 鍵の引き渡しと物件の明け渡し
契約から引き渡しまでは、通常1〜2ヶ月程度を要します。住宅ローンの審査状況や売主の引っ越しスケジュールによって変動するため、柔軟な調整力が求められます。
売買仲介で働く営業職の特徴
売買仲介営業は、自分の裁量で動ける場面が多い反面、成果が数字で明確に表れる仕事です。
1日の仕事の流れ
売買仲介営業の1日は、物件案内や商談を中心に動きます。以下は一例です。
| 時間帯 | 主な業務内容 |
|---|---|
| 9:00〜10:00 | 出社、メール確認、問い合わせ対応 |
| 10:00〜12:00 | 物件調査、査定準備、資料作成 |
| 12:00〜13:00 | 昼休憩 |
| 13:00〜17:00 | 物件案内、商談、現地調査 |
| 17:00〜19:00 | 帰社、書類作成、翌日の準備 |
土日祝日は物件案内が集中するため、平日に休みを取るケースが一般的です。定休日は水曜日が最も多く、次いで火曜日となっています。

売買仲介には賃貸仲介のような明確な繁忙期・閑散期はなく、年間を通じて一定の業務量があります。
売買仲介で求められる営業スキル
売買仲介営業として成果を出すために、以下のスキルが重要視されます。
- ヒアリング力:顧客の本当のニーズを引き出す
- 提案力:物件の魅力を的確に伝える
- 交渉力:売主・買主双方の落としどころを見つける
- 段取り力:複数案件を並行して進行管理する
- 法律・税務の基礎知識:適切なアドバイスができる
特に重要なのは、顧客との信頼関係を築く「傾聴」の姿勢です。物件を押し売りするのではなく、顧客の不安や疑問に寄り添うことで、成約率は大きく変わります。
売買仲介営業の収入事情と歩合のリアル
売買仲介営業の収入は、固定給に加えてインセンティブ(歩合給)で構成されることが一般的です。成果次第で大きく収入が変わる点が特徴です。
平均年収と収入の特徴
売買仲介営業の年収は、経験や所属会社によって大きく異なります。一般的な目安は以下の通りです。
| 経験年数 | 年収目安 |
|---|---|
| 未経験〜2年目 | 300〜450万円 |
| 3〜5年目 | 450〜650万円 |
| 6年目以上(実績あり) | 600〜1,000万円以上 |
大手仲介会社では固定給の割合が高く、中小企業やフランチャイズ店ではインセンティブの比率が高い傾向があります。トップ営業になれば年収1,000万円を超えることも珍しくありません。
気になる「仲介手数料」のリアルな仕組み
売買仲介の報酬は、取引価格に応じた仲介手数料が基本です。宅地建物取引業法では、仲介手数料の上限が定められています。

| 取引価格 | 仲介手数料の上限 |
|---|---|
| 200万円以下 | 取引価格×5%+消費税 |
| 200万円超〜400万円以下 | 取引価格×4%+2万円+消費税 |
| 400万円超 | 取引価格×3%+6万円+消費税 |
例えば、3,000万円の物件を売買仲介した場合、手数料は「3,000万円×3%+6万円=96万円(税別)」となります。両手仲介(売主・買主双方から受領)の場合は、この倍額を得られます。
営業担当者のインセンティブは、この仲介手数料の10〜30%程度が相場です。成約件数と取引価格によって、年収は大きく変動します。
【特例】低廉な空き家・空き地(売買)
一定の条件を満たす場合、例外的に以下が認められています。
- 売買価格が800万円以下
- 仲介手数料の上限:30万円(税抜)
※空き家・空き地の流通促進を目的とした特例
売買仲介のメリット・デメリット
売買仲介を仕事にする場合、メリットとデメリットを理解した上で選択することが重要です。

売買仲介のメリット
- 1件あたりの報酬が大きい:高額物件を扱えば、1件で数十万円〜数百万円の手数料を得られる
- 在庫リスクがない:自社で物件を仕入れる必要がないため、資金繰りの負担が少ない
- 成果が収入に直結:頑張り次第で高収入を目指せる
- 専門スキルが身につく:法律・税務・金融の知識が実務を通じて習得できる
- 独立しやすい:経験を積めば、独立開業やフランチャイズ加盟の選択肢が広がる
特に、成果主義で働きたい方や将来的に独立を考えている方にとっては、魅力的なキャリアパスといえます。
売買仲介のデメリット
- 収入が不安定になりやすい:成約がなければ収入が大きく下がる
- 成約までに時間がかかる:1件の取引に数ヶ月かかることも多い
- 土日出勤が基本:顧客対応の都合上、休日は平日になりがち
- クレーム対応のストレス:金額が大きい分、トラブル時の精神的負担も大きい
- 景気の影響を受けやすい:不動産市況によって売れ行きが左右される
安定志向の方や、土日休みを重視する方には向かない面もあります。自分の働き方の優先順位を整理した上で判断しましょう。
売買仲介に必要な資格・知識
売買仲介を行うには、法律で定められた資格や実務に役立つ知識が必要です。
必須・役立つ資格
売買仲介業務に関連する主な資格を紹介します。
| 資格名 | 必要性 | 概要 |
|---|---|---|
| 宅地建物取引士 | 必須(事務所に設置義務) | 重要事項説明・契約書への記名押印ができる国家資格 |
| 宅地建物取引業免許 | 必須(開業時) | 不動産取引業を営むために必要な免許 |
| ファイナンシャルプランナー | 推奨 | 住宅ローンや資金計画のアドバイスに役立つ |
| 住宅ローンアドバイザー | 推奨 | ローン選びの相談に対応しやすくなる |
| 不動産コンサルティングマスター | 任意 | 専門性をアピールできる上位資格 |
宅地建物取引士(宅建士)は、売買仲介を行う事務所に5人に1人以上の設置が義務付けられています。営業担当者自身が取得していれば、業務の幅が広がります。
未経験から売買仲介に挑戦するなら押さえておきたいポイント
不動産業界未経験から売買仲介を始める場合、以下のポイントを押さえておくとスムーズです。
- 宅建士資格の取得を最優先する
- 入社後は先輩同行で実務を学ぶ
- 物件知識・エリア知識を積極的に吸収する
- ロールプレイングで接客スキルを磨く
- 失敗を恐れず、数をこなす
未経験者を積極採用している会社も多いため、資格取得への意欲と学ぶ姿勢があれば、チャンスは十分にあります。最初の1〜2年は勉強期間と割り切り、地道にスキルを積み上げることが大切です。
売買仲介で活躍できる人はどんなタイプ?向いている方の傾向
売買仲介には、向き不向きがあります。自分に適性があるかどうか、事前に確認しておきましょう。

向いているタイプ
- 成果報酬型の働き方にやりがいを感じる人
- コミュニケーションを取ることが好きな人
- 自分で考えて動ける自走力がある人
- 高額な取引に責任を持てる人
- 数字(目標)に対する意識が高い人
- 将来的に独立開業を目指している人
特に、自分の努力が収入に直結する環境でモチベーションを発揮できる人は、売買仲介に向いています。
向いていないタイプ
- 安定した固定収入を重視する人
- 土日休みを譲れない人
- 指示がないと動けない人
- 断られることに強いストレスを感じる人
- 細かい事務作業が苦手な人
売買仲介は、精神的なタフさと自己管理能力が求められる仕事です。自分の性格や価値観と照らし合わせて判断しましょう。
売買仲介で広がるキャリアパスと将来の選択肢
売買仲介の経験は、多様なキャリアパスにつながります。将来の選択肢を広げる意味でも、有意義なキャリアです。
キャリアパスと独立の可能性
売買仲介営業のキャリアパスには、主に以下の選択肢があります。
- 社内昇進:営業リーダー、店長、エリアマネージャー
- 専門職:仕入れ担当、コンサルタント、投資用物件専門
- 独立開業:自身の会社を設立して仲介業を営む
- フランチャイズ加盟:大手ブランドの看板を借りて開業
独立開業を目指す場合、宅建業免許の取得と、事務所の設置が必要です。また、開業後に安定した集客ができるかが成功の分かれ目となります。

フランチャイズに加盟すれば、ブランド力や集客ノウハウを活用できるため、独立へのハードルを下げることが可能です。
転職時に押さえておきたいポイント
売買仲介への転職を検討する際は、以下の点を確認しておきましょう。
- 給与体系:固定給とインセンティブの比率
- 取り扱い物件:居住用か投資用か、新築か中古か
- 反響の取得方法:会社からの反響支給があるか、自己開拓が必要か
- 教育制度:未経験者向けの研修があるか
- 離職率:長く働ける環境かどうか
特に「反響の取り方」は収入に直結するため、事前に確認しておくことをおすすめします。会社によっては、ポータルサイトからの反響を営業に振り分ける仕組みを持っているところもあります。
まとめ:売買仲介の仕事がもたらすキャリア価値と将来性

不動産売買仲介は、売主と買主の間に立ち、取引をサポートする専門性の高い仕事です。
記事のポイントを整理すると、以下の通りです。
- 売買仲介は、在庫リスクなしで高額な手数料を得られるビジネスモデル
- 業務は元付け(売主対応)と客付け(買主対応)に大きく分かれる
- 年収は成果次第で大きく変動し、トップ営業なら1,000万円超も可能
- 宅地建物取引士の資格は、業務を行う上でほぼ必須
- 将来的には独立開業やフランチャイズ加盟も視野に入れられる
売買仲介は、成果主義で働きたい方や、将来独立を目指す方にとって魅力的なキャリアです。まずは業界への理解を深め、自分に合った働き方を見つけてみてください。





