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2025.05.28

不動産会社を開業する流れは?事前準備から手続きまで徹底解説

不動産会社を開業する流れは?事前準備から手続きまで徹底解説

著者情報

我妻 貴之(加盟開発課 部長) 詳細プロフィール
不動産業界で18年以上の経験を持ち、賃貸仲介から売買、競売入札、民泊運用まで幅広く対応。不動産経営の最適化を目指し、開業や事業拡大をサポート。

不動産会社を開業するためには、事前準備や手続きなど、やるべきことが多くあります。
経営形態や業態、資格の有無によって流れが異なるため、現在の状況に合わせて開業スケジュールを考える必要があります。

我妻 貴之

そこで本記事では、不動産会社を開業する流れを、準備や手続きなども交えてわかりやすく説明します。「開業といっても、何からしていいのかわからない」とお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。

この記事の要約

  • 不動産会社開業には経営形態選択や事業計画作成などの事前準備が重要
  • 宅建業免許取得や不動産団体入会には手続きや時間がかかるため、早めの準備が必要
  • フランチャイズ加盟なら集客や手続きのサポートが受けられ、開業が効率化する

不動産会社を開業するまでの全体的な流れ

まずは、不動産会社を開業する全体的な流れを見てみましょう。

  1. 経営形態と業務形態の決定
  2. 事業計画書の作成
  3. 事業に必要な資格の取得
  4. 開業資金の用意
  5. 開業届の提出、または法人の設立
  6. 事務所の設置
  7. 宅地建物取引業免許の申請(宅建業の場合)
  8. 開業

「意外とやることが多い」と感じたかもしれませんが、上記は全体の流れなので、各ステップの中でもさらにすべきことがあります。

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中でもとくに時間を要するのが、「資格の取得」「法人の設立」「宅地建物取引業免許の申請」の3つのステップです。

経営形態や業務形態、資格の有無などによっても事前準備や手続きにかかる時間が変わってくるので、自分の開業方法から所要時間を確認し、逆算してスケジュールを組む必要があります。

詳しい事前準備や手順については、次章から見ていきましょう。

不動産会社の開業までにしておくべき事前準備

不動産会社を開業するためには、必ずしておきたい事前準備がいくつかあります。
以下にそれぞれ見ていきましょう。

1.経営形態を決める

まずは、個人事業主と法人のどちらで開業するのかを決めます。
選ぶ経営形態によってこの先の流れも変わってくるため、ここが1つ目の分岐点となります。

経営形態を決めたら、次は独立店舗とフランチャイズのどちらで開業するのかも決めておきます。独立店舗は屋号や開業場所、経営方針などを全て自分で決める開業方法です。一般的な「開業」のイメージと言えば、こちらになるでしょう。

一方フランチャイズは、フランチャイザー(本部)と契約して大手不動産会社のフランチャイズ加盟店として開業する方法です。コンビニや飲食店のフランチャイズと同じように、店舗名は大手不動産の名前になります。

2.業務形態を決める<

不動産会社にはさまざまな業務形態があり、個人開業に適しているのは次の4つの業態です。

  • 売買事業
  • 仲介事業
  • 管理事業
  • 賃貸事業

選ぶ業態によって経営方法が異なるのはもちろん、必要な資格や免許も変わってきます。
そのため、ここが2つ目の分岐点となります。

それぞれの事業内容や業態選びのポイントは、以下の記事で詳しく説明していますので、ぜひこちらも参考にしてください。

3.事業計画書を作成する

経営形態や業務形態を決めたら、その形態に合わせた事業計画書を作成します。
主な記載項目は次の通りです。

  • 開業動機、目的
  • 職歴、事業実績
  • 業務形態
  • 主な取引先
  • 従業員の有無
  • 借入状況
  • 開業資金と調達方法
  • 事業の見通し

事業計画書は書き方を商工会議所で相談したり、インターネット上でテンプレートをダウンロードしたりできます。必要項目さえ満たしていれば形式は自由なので、自分がやりやすい方法で作成してみてください。

事業計画書は自分の事業の全体像を明らかにするだけではなく、実現のための具体的な方法や必要な資金などをまとめた重要な書類です。

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開業資金の融資を受ける際にも提出を求められますので、しっかりと作り込んでおきましょう。

4.開業資金を見積もり、用意する

事業計画書には、開業資金とその調達方法を記載する欄があります。書類に適正金額を記載するために、事業計画書と同時進行で開業資金を見積もり、調達方法も考えておきましょう。

不動産会社の開業には、事務所の初期費用や備品代が必要です。宅建業の場合は宅建業免許申請料や営業保証金(または弁済業務保証金分担金)、不動産団体への入会費用などがかかります。

目安は400〜1,000万円といわれていますが、、経営形態や業務形態、事業規模などによっても必要資金が変わってくるので、自分の開業にはどのくらいの資金が必要なのかを、見積りましょう。

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開業資金を自己資金から用意できないときには、資金調達も併せて考えておきましょう。一般的なのは、金融機関の融資や補助金制度の利用です。

5.宅地建物取引士資格の取得または有資格者の雇用

不動産仲介事業のような宅建業を営むときには、事業所ごとに5人に1人の割合で宅地建物取引士(宅建士)の設置が義務付けられています。従業員を雇うのなら宅建士の有資格者を雇用すれば済みますが、1人開業ならば、自分自身で資格を取得しなくてはなりません。

宅建士資格の勉強時間は300時間程度が目安で、年に1度しか試験が実施されないため、無資格からの開業となるとかなりの準備期間を要するでしょう。

不動産会社を開業にあたってすべきこと

事前準備を終えたら、いよいよ開業に向けて手続きを始めます。
フランチャイズ加盟店としての開業を考えている方は、出店制限や開業にあたって研修があることが多いので、以下の手順に進む前に、契約するフランチャイザーを決めておくと良いでしょう。

この章では独立店舗としての開業、またはフランチャイザーを決定してからの開業の流れを説明します。

1.事務所の設置

開業にあたって、まずは事務所を構える場所を決めます。

大通り沿いや駅近く、自宅付近など、独立店舗ならば開業場所を自由に決められます。気になるテナントが見つかったら、不動産会社で賃貸契約を申し込みましょう。

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フランチャイズ加盟店として開業する場合は、顧客の取り合いを防ぐために出店制限がある場合がほとんどです。希望の出店場所があるのなら、事前に出店可能であるのかを確認しておきましょう。

なお、事務所の設置が必要なのは仲介事業のみで、売買事業、管理事業、賃貸事業ならば不要です。自宅を事務所にする方は、この項目は飛ばしてください。なお、売買事業であっても何度も取引を行う(反復継続する)場合は宅建業にあたるため、事務所の設置が必要です。

2.会社の設立または開業届の提出

法人なら会社を設立し、個人事業主ならば税務署に開業届を提出します。

法人の設立には、実印の作成、定款(ていかん)の作成、資本金の振り込み、登記手続きなどのさまざまな手続きが必要です。準備や手続きに時間がかかるため、法人での開業を検討している方は、早めに準備をしておきましょう。

一方個人事業主としての開業は、開業届を出すだけで完了です。青色申告をする予定の方は、「青色申告承認申請書」も一緒に提出すれば、すぐに事業を始められます。

3.宅地建物取引業免許の申請

宅建業を営む不動産会社を開業するときには、必ず宅地建物取引業免許の申請・取得をしなくてはなりません。申請にあたって事務所や専任の宅地建物取引士の設置が義務付けられているため、申請までに事務所を確定し、資格も取得しておく必要があります。

宅建業免許の申請から取得までにかかる時間は、知事免許で約40日、大臣免許の場合は約3〜4か月です。準備だけではなく、審査にも時間がかかる点を覚えておきましょう。

4.不動産団体への入会

宅建業を営むためには、万が一のトラブルに備えて開業時に「保証金」として法務局に1,000万円を供託しなくてはなりません。

しかし全宅保証や宅建協会のような不動産団体に入会すれば、「弁済業務保証金分担金」として60万円を支払うことで、1,000万円の供託が免除されます。

そのため不動産会社の開業にあたって、どちらかの不動産団体に加入する方がほとんどです。

我妻 貴之

不動産団体への入会には入会金や年会費がかかりますが、経営のサポートが受けられるほか、レインズ(不動産流通機構)の利用もできるなどのさまざまなメリットがあります。

不動産会社開業までの流れから、スケジュールの調整を!

本記事で説明したように、不動産会社を開業するためにはすべき準備や手続きが多くあります。今回挙げたのは開業手順のみですが、他にも集客や人脈づくりなどの事業全体にかかわる準備もしなくてはなりません。

フランチャイズ加盟店としての開業であれば、開業までの手続きはもちろん、集客や営業などのさまざまなノウハウ提供やサポート支援が受けられます。

なお、フランチャイズ加盟店として開業するときには、以下のような流れで進んでいきます。

不動産会社開業までの流れ
  1. フランチャイズシステムの説明、面談、見学
  2. 加盟申し込み
  3. 加盟審査
  4. 加盟契約
  5. 説明会や面談などのレクチャー
  6. 店舗オープン

Point!

加盟申し込み時に営業エリアを修正決定するので、事務所を設置する前に開業の相談をしていただけると面談がスムーズです。SUMiTASでは説明会やフェアへの出展も定期的に行っておりますので、開業・起業を検討している方は、お気軽にご相談ください。

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