2024.10.09
宅建士が独立開業する方法は?メリットとリスク、成功のポイントもあわせて解説
著者情報
我妻 貴之(加盟開発課 課長) 詳細プロフィール
不動産業界で18年以上の経験を持ち、賃貸仲介から売買、競売入札、民泊運用まで幅広く対応。不動産経営の最適化を目指し、開業や事業拡大をサポート。
宅建士(宅地建物取引士)の資格を所有していれば、不動産会社を独立開業することができます。業界経験者なら、資格の知識と業務の経験を活かした経営ができるでしょう。
しかし宅建士の独立開業には、メリットもあればリスクもあります。そこで本記事では、独立のメリットとリスク、成功のポイントを中心に解説します。
独立を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
この記事の要約
- 宅建士の独立開業は、経営方針を自由に決められ、収入増加も期待できる。
- リスクとして、初期収入の不安定さや集客・経営知識の不足がある。
- リスク対策として、開業前の準備やフランチャイズ加盟の検討が重要である。
宅建士が独立する2つの方法
独立のメリットとデメリットをお伝えする前に、まずは独立方法を簡単に説明します。自分が理想とする開業方法により近いのは、どちらなのかを考えるヒントにしてください。
独立店舗として開業する
1つ目が、独立店舗として開業する方法です。事務所を構える場所や店名、営業形態、経営方針などの経営にかかわる全てを自分で決めることができます。
「独自のビジネス方法にチャレンジしたい」「いろいろな広告方法や営業方法を試しながら経営をしてみたい」と考えている方は、独立店舗での開業が向いているでしょう。
フランチャイズ(FC)加盟店として開業する
2つ目が、フランチャイズ加盟店として開業する方法です。
自営業であることには変わりませんが、大手不動産会社の商標とブランド名を利用できるので、開業当初からブランド認知度を活かした集客が期待できます。
また、事務作業や売上管理などの経営ノウハウや、作業を効率化できるシステムを提供してもらえるのも、フランチャイズに加盟するメリットのひとつです。
「集客できるか不安」「効率良く売上を増やしたい」と考えている方に向いています。
参考までに実際にSUMiTASフランチャイズにご加盟いただいた企業様のインタビューを一部引用しご紹介します。フランチャイズならではのメリットに価値を感じていただいている方が多くいらっしゃいます。
共有会で開催された参加型のディスカッションや、共有会あとの懇親会等を通じて、加盟店同士の交流が深まりました。加盟店同士の繋がりを肌で感じることができたことで、フランチャイズ加盟の価値をあらためて体感することができました。(一部抜粋)
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宅建士が独立して不動産会社を開業するメリット
宅建士の独立開業には、主に次のようなメリットがあります。
- 経営方針を自由に決められる
- 会社勤めよりも収入が増える可能性がある
具体的にどのような利点なのかを、会社員と比較しながら説明します。
経営方針を自由に決められる
企業勤めだと、営業マニュアルに沿った接客が基本です。
そのため思うような接客ができず、「自分ならもっとこうする」「こうしたほうが効率が良い」と、もどかしさを感じた経験があるのではないでしょうか。
その点、独立開業後は、経営方針を全て自分で決められます。これまでに浮かんだアイデアや失敗から得た経験などを、すぐに接客に反映できる点がメリットです。
上手くいくことばかりではないかもしれませんが、いろいろな方法を試しながら、独自の営業スタイルを確立していけます。
会社勤めよりも収入が増える可能性がある
多くの不動産会社ではインセンティブがあり、営業成績に応じて給与も上がっていきます。しかし成果に対して「これだけしか報酬が増えないのか」と、落胆したことがある方も少なくないでしょう。
国税庁の「令和4年分民間給与実態統計調査」でも、不動産業の給与所得者の平均年収は約414万円と発表されています。一方で公益財団法人不動産流通推進センターが発表した「2024不動産業統計集(3月期改訂)」によると、令和4年度、資本金1,000万円未満の不動産会社の就業人数55万5,718人、売上高は8兆4,745億4千200万円でした。これを1人あたりの売上として平均すると、約1,524万円です。
経費の割合にもよりますが、800〜1,000万円ほどの年収になるでしょう。あくまで平均値ではありますが、成果を上げ続ければ会社員よりも高い収入を期待できます。
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- 不動産業で起業した人の年収はどのくらい?知っておきたい注意点もあわせて解説
宅建士が独立して不動産会社を開業するリスク
経営方針を自由に決められて、収入の増加も期待できる独立開業ですが、どのような業種にもリスクはつきものです。リスクの内容を把握し、対策を考えましょう。
経営初期は収入が不安定になる
不動産業は成果数に比例して収入も増えていきますが、逆に成果数が少なければ収入は減ってしまいます。
とくに不動産売買は高額取引になることが多いので、知名度があまりない開業当初は信頼性の観点から集客に苦戦しがちです。
独立開業は収入を大きく増やせる可能性がある一方で、会社勤めよりも収入が減るリスクもあります。
収入が安定するまでにはそれなりの時間を要するため、無収入になったとしても維持費や運転資金、生活費を払えるだけの蓄えを用意してから開業しましょう。
Point!
SUMiTASでは、経済的なリスクを最小限に抑えながら事業を開始できるようにするためロイヤリティを「月額5万円(税別)」と低価格に設定しています。
集客や顧客管理を全て自分でしなくてはならない
独立開業では集客活動はもちろんのこと、顧客管理も行わなくてはなりません。どのように集客し、顧客を増やすのか、マーケティング知識も求められるでしょう。
そのため独立開業するのなら、不動産に関する知識だけではなく、集客や広告についても勉強しておく必要があります。
営業だけではなく経営の知識も必要になる
多くの企業では、それぞれの業種によって業務が振り分けられています。経営、営業、経理・事務といった形で役割がきちんと分担されていたので、会社勤めのときには自分の業務だけに専念できたはずです。
しかし独立開業では、営業、集客、広告、売上管理、事務処理などの経営にかかわる全てを自分1人でこなさなくてはなりません。それぞれの知識がなければ、経営自体が破綻してしまうリスクがあります。
宅建士が独立して成功するためのポイント
宅建士の独立開業にはメリットもあれば、リスクもあることがおわかりいただけたと思います。リスクを避けて独立を成功させるためには、具体的にどのようなことを意識すればいいのでしょうか。
集客や経営について学んでから独立する
独立開業には営業知識だけではなく、経営や事務などの知識も求められ、さらに集客も自分で行う必要があると前章で説明しました。
“習うより慣れよ”の精神で経営をしながら学んでいく方法もありますが、独立を成功させるためは、必要な知識をしっかり身に着け、事業計画も立てた上で開業することが大切です。
経営について学ぶ方法としては、独学のほか、商工会議所の開業相談や支援、コンサルタントからサポートを受ける選択肢があります。
ただし、商工会議所とコンサルタントは基本的に開業までの付き合いとなり、継続して受けるためにはそれ相応の費用が必要です。
フランチャイズへの加盟を検討する
フランチャイズ加盟店になれば、経営ノウハウの提供や作業効率を上げるシステムの導入、研修や面談などのさまざまなサポートを、開業前だけではなく開業後も受けられます。
不動産会社の経営に役立つ知識を中心に提供してもらえるので、最短ルートで経営ノウハウを学べる点がメリットです。ただしフランチャイズ加盟には加盟金やロイヤリティがかかり、本部の経営方針に沿った営業をしなくてはなりません。
メリットもあればデメリットもあるので、自分が理想とする開業方法と比較しながら検討する必要があります。
実際にSUMiTASにご加盟いただいた企業様からの感想としても、研修やサポートはご好評をいただいております。
想像以上のSUMiTASのブランディング力を感じています。看板だけで「不動産売買のSUMiTAS」とお客様に認識いただけている様で、自然とお問い合わせが集まってきています。また、提供サービスに関しても日々活用しています。FC加盟店ポータルサイトでは、実務ですぐに活用できる書式やマニュアルが用意されており、日々の業務軽減になっています。(一部抜粋)
独立のリスクを知り、対策を考えてから開業を!
宅建士の資格を所有していれば、独立して1人で不動産会社を立ち上げることができます。経営方針の自由さや高収入を目指せるなど、さまざまなメリットがあります。
しかしその一方で収入や経営面でのリスクもあるため、十分に対策を考えてから開業することが大切です。リスクを回避するために大切なのは、入念な開業準備やフランチャイズ加盟店としての開業です。
Point!
SUMiTASフランチャイズは、経営知識やシステムの提供、代表吉田のサポートなど、独立を成功させるためのさまざまな支援を行っています。全国各地でセミナーや説明会を開催しておりますので、フランチャイズ加盟での開業をお考えの方は、お気軽にご相談ください。