フランチャイズのロイヤリティ相場は?料率より月の支払いで比べる

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我妻 貴之(加盟開発課 部長) 詳細プロフィール
不動産業界で18年以上の経験を持ち、賃貸仲介から売買、競売入札、民泊運用まで幅広く対応。不動産経営の最適化を目指し、開業や事業拡大をサポート。
フランチャイズのロイヤリティの相場は、どれくらいなのでしょうか。ロイヤリティの決め方や額は本部ごとに違い、同じ料率でも、何に料率をかけるかや月の売上によって、実際に払う額は変わります。
この記事では、出典をたどれる公的な調査だけを使って、ロイヤリティの相場を整理します。そのうえで、料率だけでは比べられない理由と、月の支払いで比べる方法を説明します。
フランチャイズのロイヤリティ相場
私たちが調べた公的機関と業界団体の資料(経済産業省・公正取引委員会・日本フランチャイズチェーン協会)のうち、業種ごとのロイヤリティの平均を出していたのは、経済産業省が2007年に行った調査(本部241社が回答)だけでした。この調査で本部が答えた平均は、次のとおりでした。
| 方式 | 平均 | 回答した本部の数 |
|---|---|---|
| 売上高に料率をかける方式(売上歩合) | 全体4.9%(小売業3.5%・外食業3.8%・サービス業7.5%) | 109 |
| 固定額の方式(定額) | 月10.0万円 | 31 |
※経済産業省「フランチャイズ・チェーン事業経営実態調査報告書」(2008年3月)の本部への調査。
これは約19年前(2007年)の調査ですが、私たちが調べた範囲では、これより新しい公的な集計は見つかりませんでした。同じ調査で加盟店が答えた売上歩合の料率は、全体で10.3%でした。ただし、回答した加盟店236のうち189がサービス業(平均11.5%)で、本部の回答とは業種の構成が違うため、本部の4.9%とそのまま比べることはできません。
私たちは、ロイヤリティを料率の相場で比べるより、同じ売上で月にいくら払うことになるかを、ロイヤリティ以外に毎月払うお金まで含めて比べることをおすすめします。その理由と方法を、以下で順に説明します。
ロイヤリティとは
ロイヤリティは、加盟店が本部に継続的に払うお金です。日本フランチャイズチェーン協会は、フランチャイズQ&Aで、本部から継続的に受ける経営ノウハウ・情報システム・商標などの使用料と、スーパーバイザー(加盟店の経営を指導する本部の担当者)から継続的に受ける経営指導などの対価として支払うもの、と説明しています。
加盟するときに一度だけ払う加盟金と違い、ロイヤリティは契約が続くかぎり払い続けます。加盟金を含めた本部に払うお金の全体は、フランチャイズ起業とはでも説明しています。
ロイヤリティの3つの方式

ロイヤリティの決め方は、大きく次の3つです。
| 方式 | 決め方 | 特徴 |
|---|---|---|
| 売上歩合 | 売上高に決まった料率をかける(定率とも呼ばれる) | 売上が少ない月は支払いも少なく、売上が伸びると支払いも増える |
| 粗利分配 | 売上総利益(売上から売上原価を引いた額)に決まった率をかける。原価に何を含めるかは本部の定義による | 主に大手のコンビニで使われる。公正取引委員会の2020年の調査では、率は10%〜76%(大手の多くが使う方式では21%〜76%) |
| 定額 | 売上に関係なく毎月同じ額 | 支払いの見通しが立てやすい。売上が少ない月も同じ額を払う |
このほか、日本フランチャイズチェーン協会は、席数や坪数に一定の比率を掛ける方式も例に挙げています(例: 一席あたり3,000円)。売上に連動しないため、この記事では定額の一種として扱います。
経済産業省の2007年の調査では、ロイヤリティがある本部のうち、売上高を基準にする方式(売上歩合)が54.4%で最も多く、固定額(定額)が21.8%、粗利益や売上総利益を基準にする方式は合わせて7.3%、その他が16.0%でした。固定額の割合はサービス業(30.6%)が最も高く、粗利益や売上総利益を基準にする方式は小売業に偏っていました。
ロイヤリティの相場の数字の読み方
業種別の平均料率を示す公的な資料は、調べた範囲では2007年の調査だけ
業種ごとのロイヤリティの相場を示す数字を使うときは、どの調査の、いつの数字かを確かめる必要があります。
私たちが調べた公的な資料で業種ごとの平均料率を出しているのは、最初の章で紹介した経済産業省の調査です。ただし業種の分け方は小売業・外食業・サービス業の3つだけで、平均が出ていても回答した本部の数が少ない区分もあります。「飲食はいくら、塾はいくら」という細かい相場を公的に裏付けられる資料は、見つかりませんでした。
コンビニの料率を他の業種と比べてはいけない理由
公正取引委員会が2020年にまとめたコンビニエンスストア本部と加盟店との取引等に関する実態調査報告書では、大手の多くは「実際に売れた商品の仕入原価を売上原価として計算した売上総利益」に率をかける方式を使っており、その率は21%〜76%でした。売上に料率をかける方式とは土台が違うため、率の数字を並べて比べることはできません。
同じ報告書は、コンビニ以外の例として、学習塾「毎月の売上(月謝,講習料等)入金額の10%」、居酒屋「月額3,000円×店舗面積(坪数)」、ピザ「売上高の2.5%又は15万円のうちいずれか少ない方の金額等」なども挙げています。そのうえで、学習塾や外食の本部は、教材や食材を加盟店に卸して利益を得ている場合があるため、コンビニの本部と単純に比べることはできない、と注記しています。ロイヤリティの率だけでは、本部に払うお金の全体は分かりません。
2026年の本部の公式サイトの公表状況と方式の一覧

いまの本部はどれくらいロイヤリティを公表しているのか。私たちは2026年9月24日に、コンビニ・飲食・学習塾・ハウスクリーニング・フィットネス・買取・介護・美容(リラクゼーションを含む)・自動車の9業種(1業種3〜4ブランド)に、配食と便利屋の2ブランドを加えた計32ブランドについて、本部の公式サイトの加盟店募集のページ・契約の概要・コラムと、一部の本部の有価証券報告書を確かめました(フランチャイズの紹介サイトの数字は使っていません)。
ロイヤリティの額か料率を本文で公表していたのは16ブランドでした。方式やロイヤリティがあることだけ、または一般的な目安だけを書いていたのが5、画像の中にだけ書いていたのが3、記載がなかったのが8です。公表していた割合が高かったのはコンビニ(3ブランド中3)と飲食(4ブランド中4)で、フィットネスと買取は6ブランドとも、本文で額や料率を公表していませんでした。
本文で公表していた16ブランドの方式は、次のとおりでした。
| 方式 | ブランド数 | 業種の内訳 | 補足 |
|---|---|---|---|
| 売上歩合 | 6 | 飲食2・学習塾2・介護1・美容1 | 料率は3%〜10% |
| 定額 | 6 | ハウスクリーニング2・飲食1・自動車1・配食1・便利屋1 | 席数に連動するもの、月会費の形のものを含む |
| 粗利分配 | 3 | コンビニ3 | 率は本部ごとに違い、粗利の額に応じて段階的に変わるものもある |
| ロイヤリティなし | 1 | 飲食1 | ― |
1業種3〜4ブランドを調べただけなので、これを相場と呼ぶことはできません。ただ、半数のブランドが本文で額や料率を公表していないこと自体が、比べるときに知っておきたい事実です。公表していない本部には、説明会で算定の方法と金額を確かめることになります。
ロイヤリティの定額と売上歩合の分岐点

定額と売上歩合のどちらの支払いが少なくなるかは、月の売上で入れ替わります。経済産業省の調査の全業種の平均(固定額 月10.0万円、売上歩合の料率4.9%)を当てはめると、次のようになります。
| 月の売上 | 定額(月10万円) | 売上歩合4.9% |
|---|---|---|
| 50万円 | 10万円 | 2万4,500円 |
| 100万円 | 10万円 | 4万9,000円 |
| 200万円 | 10万円 | 9万8,000円 |
| 300万円 | 10万円 | 14万7,000円 |
| 400万円 | 10万円 | 19万6,000円 |
※全業種の平均どうしを当てはめた計算例で、特定の本部の条件ではない。
支払いが同じになる売上は、「定額÷料率」で出せます。全業種の平均なら、月10万円÷4.9%で約204万円です。サービス業の平均どうし(固定額 月11.4万円・回答16、料率7.5%・回答36)なら約152万円になります。見込める月の売上が、支払いが同じになる売上より多ければ定額のほうが、少なければ売上歩合のほうが、支払いは少なくなります。
大切なのは、1年をならした月商ではなく、開業してすぐの売上が少ない月でも払えるかどうかです。定額は売上がない月も同じ額がかかり、売上歩合は売上が伸びたときに支払いも増えます。どちらが自分に合うかは、事業計画の売上の見込みを月ごとに置いて確かめてください。
ロイヤリティが売上の何%になるかの出し方

「フランチャイズのロイヤリティは売上の何%か」という問いには、2つの答え方があります。1つは契約に書かれた料率、もう1つは、ロイヤリティ以外も含めて毎月本部に払うお金が売上の何%になるか、です。比べるときに見るべきなのは後者です。
毎月本部に払うお金には、ロイヤリティのほかに、広告分担金やシステム利用料などがある本部もあります。また、料率が低くても、下限の額が決まっていると、料率をかけた額が下限に届かない月は、実質の負担が料率より重くなります。
公正取引委員会の報告書には、コンビニの1チェーンの契約として、「物品の販売に関わる各月の総売上高の3%(下限月額180,000円)」という例があります(このチェーンには、受託業務の手数料収入の30%という別のロイヤリティもあります)。物品の販売のロイヤリティだけを見ると、月の売上が600万円までは下限の18万円を払うことになり、実質の負担率は次のように変わります。
| 月の売上 | 払う額 | 売上に対する割合 |
|---|---|---|
| 200万円 | 18万円(下限) | 9.0% |
| 300万円 | 18万円(下限) | 6.0% |
| 400万円 | 18万円(下限) | 4.5% |
| 600万円 | 18万円 | 3.0% |
契約の料率は3%でも、売上が200万円の月は、売上の9%を払っていることになります。比べるときは、次の式で月ごとに出してみてください。
毎月本部に払うお金の売上に対する割合 =(ロイヤリティ+広告分担金+システム利用料など、毎月本部に払うお金)÷ 月の売上
公正取引委員会は、フランチャイズ・システムに関する独占禁止法上の考え方で、フランチャイズの本部が、実質的に徴収する金額が同じ水準なのに、算定方法の違いを説明しないまま、ほかの本部より率が低いことを強調することを、問題になりうる例として挙げています。率の数字だけで比べないことは、加盟を検討する側の身を守ることにもつながります。
実際に加盟した方の中にも、ロイヤリティと経費をあわせて見て本部を比べた方がいます。SUMiTAS高知帯屋町店の矢野 純司様は、売買と賃貸のフランチャイズあわせて少なくとも5、6社に声をかけました。賃貸まで広げた理由を、こう話しています。
「売買のロイヤリティや経費があまりにも高いなら、賃貸も選択肢にしないといけないと思っていたので。」
(加盟店の声・事例 矢野 純司 様)
ロイヤリティを確かめる方法
公表していない本部が多い以上、ロイヤリティは説明会や面談で確かめることになります。そのときは、次の4つを聞いておくと、ほかの本部と同じ物差しで比べられます。
- 額、または何に料率をかけるのか(売上か、粗利か。売上や原価の定義を含めて)
- ロイヤリティのほかに毎月払うお金の名目と額(広告分担金、システム利用料など)
- 下限の額や上限の額があるか
- 払う時期と払い方
この4つは、中小小売商業振興法施行規則が、法律の対象になる本部に対して契約前の書面に書くよう求めている項目(定期的に徴収する金銭の額または算定方法、その性質、徴収の時期、徴収の方法)と重なります。ただし、この法律の対象は小売業(飲食を含む)です。日本フランチャイズチェーン協会も「中小小売商業振興法の対象は小売業のみです。したがって、サービス業の場合は、法律上開示義務を負うわけではありません」と説明しています(改正中小小売商業振興法施行規則に関するQ&A)。不動産の仲介は商品を売る小売業ではないため、不動産仲介の本部には、この書面を渡す義務はかからないと考えられます。一方で公正取引委員会は、業種を問わず、ロイヤリティの額・算定方法・徴収の時期・徴収の方法を、加盟の募集にあたって開示することが望ましい事項に挙げています。
あわせて、支払いが続けられなくなったときの条件も確かめてください。契約期間の途中でやめる場合の条件はフランチャイズ解約の注意点、契約前に見ておきたい条項はフランチャイズ契約で起こりうるトラブルとその回避策で説明しています。
不動産フランチャイズのロイヤリティ
不動産のフランチャイズについては、2026年9月23日にSUMiTASを除く27ブランド(26本部)の公式サイトを確かめました(1ブランドは加盟店募集のページを見つけられませんでした)。ロイヤリティの方式を公式サイトに書いていたのは9本部で、定額が7、売上歩合が2でした(ほかに、ロイヤリティと広告分担金をまとめて「月額固定費」と書いていた本部が1)。方式を書いていない本部のほうが多いため、不動産のフランチャイズ全体で定額が多いとまでは言えません。ロイヤリティの額か料率まで公式サイトに載せていたのは2本部で、ほかに、売上歩合と書いていた本部のうち1本部が、共同広告費と合わせた額を載せていました。公表されている額は不動産フランチャイズの加盟料にまとめています。
SUMiTASのロイヤリティは、月10万円(税別)の定額です。定額にしているのは、売上が伸びた加盟店ほど負担が重くなる形を避け、増収分がそのまま手元に残るようにするとともに、変動費に比べて経営の試算(予測)を立てやすくするためです。一方で、売上が少ない月も10万円は変わりません。
SUMiTASには、システム利用料・広告分担金・イメージキャラクター使用料といった必須の追加費用はなく、毎月本部に払う必須のお金はロイヤリティの10万円だけです(加盟金・ロイヤリティのご案内)。毎月固定で払うオプションもありません。売却査定の反響(問い合わせ)を1件15,000円(税別)で購入できる従量制の仕組みもありますが、購入は強制ではなく任意で、使わなくても経営に支障はない設計です。
定額の本部と売上歩合の本部のどちらが合うかは、「ロイヤリティの定額と売上歩合の分岐点」の章のとおり、「定額÷料率」で出した支払いが同じになる売上と、見込める月ごとの売上を比べて確かめてください。ロイヤリティのほかに毎月必ず払うお金がある本部は、それも足した月の支払いで比べます(「ロイヤリティが売上の何%になるかの出し方」の章の式)。
ロイヤリティの相場のよくある質問
フランチャイズのロイヤリティ料率の相場はどれくらいですか?
私たちが調べた公的な資料で業種別の平均が分かるのは、経済産業省の2007年の調査です。売上高に料率をかける方式では、本部が答えた平均が全体で4.9%(小売業3.5%・外食業3.8%・サービス業7.5%)、固定額の方式では月10.0万円でした。コンビニは売上総利益に率をかける方式が多く、率の数字をほかの業種と比べることはできません。
フランチャイズのロイヤリティは、売上の何%くらいですか?
契約に書かれた料率と、実際に毎月本部に払うお金の割合は違います。経済産業省の2007年の調査では、売上高に料率をかける方式の平均は、本部の回答で4.9%でした。ただし、ロイヤリティのほかに広告分担金やシステム利用料がある場合や、料率をかけた額が下限の額に届かない月は、実際の割合は料率より高くなります。毎月本部に払うお金の合計を月の売上で割って比べてください。
ロイヤリティが0円のフランチャイズはありますか?
あります。経済産業省の2007年の調査では、ロイヤリティがないと答えた本部が12.0%ありました。私たちが調べた32ブランドにも、ロイヤリティなしと公式サイトの本文で公表していたブランドが1つありました。ただし、ロイヤリティがなくても、商品や材料の仕入れなど、別の名目で本部に払うお金がある場合があります。毎月本部に払うお金の合計で比べてください。
不動産フランチャイズのロイヤリティはいくらですか?
公式サイトでロイヤリティの額か料率を公表している不動産の本部は少なく、2026年9月23日に確かめた27ブランド(26本部)のうち2本部でした。方式を書いていた9本部では定額が7、売上歩合が2でしたが、方式を書いていない本部のほうが多いため、不動産のフランチャイズ全体で定額が多いとまでは言えません。SUMiTASは月10万円(税別)の定額です。公表されている額は不動産フランチャイズの加盟料で紹介しています。
まとめ: ロイヤリティは料率ではなく、同じ売上での月の支払いと総負担で比べる
- 私たちが調べた範囲では、ロイヤリティの業種別の平均を公的に示した資料は、経済産業省の2007年の調査だけ。売上歩合の平均料率は全体4.9%、固定額の平均は月10.0万円
- コンビニは売上総利益に率をかける方式が多く、率の数字をほかの業種と比べられない
- 2026年に32ブランドの本部の公式サイトを確かめると、ロイヤリティの額か料率を本文で公表していたのは16ブランド。公表していない本部には説明会で確かめる
- 定額と売上歩合の支払いが同じになる売上は「定額÷料率」(全業種の平均なら約204万円)。開業してすぐの売上が少ない月でも払えるかを確かめる
- 料率をかけた額が下限に届かない月や、ロイヤリティ以外に毎月払うお金がある場合は、実際の負担は料率より重くなる。毎月本部に払うお金の合計を月の売上で割って比べる
- 不動産の本部は、2026年9月に確かめた26本部のうち、方式を公式サイトに書いていたのが9本部で、そのうち7本部が定額(方式を書いていない本部が多く、全体で定額が多いとまでは言えない)
不動産のフランチャイズで独立する全体像は不動産フランチャイズとはで確かめられます。
※この記事の内容は、2026年10月時点の情報にもとづいています。制度や金額は変わることがあるため、最新の情報は各機関・各社の公式サイトなどでご確認ください。








